抜け毛や疲労、体重増加にも…女性ホルモン「高エストロゲン」に関連する10の症状を海外医師が解説
泌尿器科クリニックModern Urologyに所属する産婦人科医のタマラ・ギシャール医学博士によると、エストロゲン(エストロン、エストラジオール、エストリオールを含む)は、生理周期や気分の調節、骨密度とリプロダクティブ・ヘルスの維持に関連する必須ホルモン。心臓や代謝機能、生殖器の健康維持においても重要な役割を果たしているそう。 【写真】女性ホルモンバランスを整える5つの食べ物・ホルモンバランスを乱す食べ物 「エストロゲン値が高い」こと自体は病気じゃない。むしろ高エストロゲンは、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの疾患やストレスなどの生活要因に関連していることが多い。 そこで今回は、高エストロゲンの基礎知識を医師が解説してくれた。でも、自分の症状や健康上の懸念については、かかりつけ医に相談するのが一番確実であることを覚えておいて。アメリカ版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。 ※この記事は、セクシュアルヘルスケアサービスWispのチーフヘルスオフィサーで認定産婦人科医のジリアン・ロピアノ医学博士による医学的査読を受けています。 ※本記事はアメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
エストロゲン値が高くなる要因は?
エストロゲン値が高くなる要因は1つじゃないので、この質問に対する答えは“ケースバイケース”。多少は遺伝が影響することもあるけれど、ウー医師いわく多くの場合、高エストロゲンは次の生活要因や疾患に関係している。 ▼妊娠 ウー医師によると、妊娠中はエストロゲン値が自然と高くなる。エストロゲンの中でも、胎児の発育を促進し、母体を出産に備えるのに必要なエストリオールは特に増える。それに伴い、胸の張り、疲労、吐き気、気分のむら、体液貯留、頭痛、性欲の変化などの症状が現れることもあるけれど、このような症状が1つ以上出ているからといって、必ずしもエストロゲン値に問題があるということにはならない。むしろ、妊娠中にエストロゲン値が上昇するのは正常かつ想定の範囲内。また、出産後はエストロゲン値が急激に低下して、ベースライン(授乳をしている場合はベースラインより少し低いところ)に戻るそう。 ▼体重 ギシャール医師によると、脂肪組織はエストロゲンを過剰に産生するため、体脂肪率が高い人はエストロゲン値も高い可能性がある。また、エストロゲン値は脂肪の蓄積場所にも影響を与えるようで、ウー医師いわくエストロゲン値が高い女性は、お尻や太ももに脂肪がつきやすくなるのだそう。 ▼ストレス ウー医師によると、慢性的なストレスもホルモンバランスを乱す可能性がある。視床下部(ホルモンの調節に関与する脳の領域)がストレスを感知すると、副腎が刺激されてストレスホルモンのコルチゾールを分泌する。コルチゾールは、視床下部-下垂体-副腎系(HPA系)で作られる主要なホルモンのバランスを乱すことがあり、これにはエストロゲンも含まれる。場合によっては、それが生理不順や無排卵(排卵がない状態)を引き起こすこともあるのだそう。
高エストロゲンに関連する症状は?
ウー医師とギシャール医師によると、高エストロゲンに関連する症状は以下の通り。 ・生理不順 ・膨満感 ・胸の張り ・気分のむら ・体重の増加(特にお尻と太もも) ・頭痛 ・疲労 ・性欲の低下 ・抜け毛 ・集中力の低下