異例の40分1本勝負!ガンバ大阪ユース、AT2発で見事V2達成!川崎フロンターレU-18は初V逃す
「決まったことに対して、準備をしていくだけ。何かを言っても仕方ないし、変わらないモノは変わらない。40分勝負に捉われずに備えをしていった」 【フォトギャラリー】川崎フロンターレU-18 vs ガンバ大阪ユース G大阪ユースの町中大輔監督が振り返った通り、第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の決勝は想定外の事態に見舞われた。18時キックオフの予定だったが、雷雨の影響で18時30分に開始が変更。しかし、天候は回復せず、バケツをひっくり返したような雨が降り続いた。19時過ぎに雷は止んだものの、今度はグラウンド状況が回復せずに最終的には20時15分からゲームをスタートさせることが決定。40分ハーフではなく、延長戦とPK戦を実施せずに40分1本勝負という異例の形で雌雄を決することになった。 短期決戦となったため、戦い方は普段とは異なる。体力を気にせずに序盤からギアを上げられるだけではなく、選手交代も早めに決断することが可能。通常とは異なるシチュエーションでゲームは幕を開けた。 互いに出力を上げ、序盤から積極的に攻撃を仕掛ける展開となるなか、先手を取ったのはG大阪。19分、ルーズボールを拾ったFW中積爲(2年)がPA手前から左足で思い切ってミドルシュートを放つと、これが見事に決まって先制に成功した。しかし、ここから川崎が攻勢に転じ、24分に左SB関德晴(2年)のロングスローに右SB柴田翔太郎(3年)が合わせて同点に追い付く。流れを掴んだ川崎はサポーターの大歓声を受けて2点目を目指すと、29分に柴田の右クロスに途中出場のFW香取武(3年)が合わせる。ニアでボレーを放ち、豪快にネットを揺らした。 リードを奪った川崎は初優勝まであと少し、10分強を凌げばという場面だったが、ここからG大阪が怒涛の反撃を仕掛ける。すると、40+2分。右CKを山本天翔(2年)が蹴ると、パワープレーで攻撃に加わっていた191cmのGK荒木琉偉(2年)が競りにいく。惜しくも合わせられなかったが、背後から飛び込んだ主将のCB古河幹太(3年)が頭で合わせて同点に。一気に流れを引き寄せたG大阪は40+6分にゴール前でFKを獲得する。ほぼラストプレーのなか、山本が左足を振り抜く。綺麗な弧を描いた一撃はバーを叩いてネットに吸い込まれ、土壇場で試合をひっくり返す一撃で優勝を決めた。 G大阪は06、07年以来の連覇となる。「去年の優勝が16年ぶり。連覇は率直に嬉しい。優勝は自分たちが拘って、信念を持ってやってきた練習が優勝に相応しかった」(町中監督)。異例の決勝となったが、“クラセン”の歴史に名を残すことは間違いない。 (文=松尾祐希 写真=矢島公彦)