【リニア】“トンネル工事”最大4年の遅れ…JR東海が説明 住民から疑念の声「見込み甘い」「さらに我慢しないといけないのか」
品川・名古屋間の2027年開業を断念したリニア中央新幹線です。4日夜、長野県大鹿村で開かれた説明会で、JR東海は村内の2つのトンネルの完成が計画より3年から4年遅れると明らかにしました。
JR東海 中央新幹線建設部 名古屋建設部・古谷佳久担当部長: 「土木工事の完了は約3年から4年遅れとなります。大変、申し訳ない思いでございます」 4日夜、大鹿村で開かれたリニア中央新幹線の住民説明会。JR東海が工事の遅れを陳謝しました。説明会は、当初「2027年」としていた品川・名古屋間の開業を3月に断念したのを受けたものです。
大鹿村では現在、「南アルプストンネル」と「伊那山地トンネル」の2つのトンネル工事が進んでいます。 JR東海は、村内の工区の完成時期を「南アルプストンネル」は2026年11月から2030年夏ごろに。 「伊那山地トンネル」は2026年9月末から2029年夏ごろになると明らかにしました。
遅れた理由として、「土かぶり」と呼ばれる地表からトンネルまでの深さが場所によって1000メートルを超えることや地質のもろさを挙げました。いずれも着工する前から懸念されていたことです。 JR東海の説明: 「地質データを踏まえて、補助工法の実施や支保を二重にするなど、前回計画の想定よりもかなり遅れている」 現在、大鹿村を通る工事車両は多い日で960台。増減はあるとしてもまだ5、6年は続くことになります。
出席した住民からは「見込みが甘かったのでは」「さらに我慢しないといけないのか」といった声が上がりました。 終了後ー。 住民: 「いつまでっていうのも、もっと延びるかもしれない。住んでる方はとってもつらい」 「うまくいくとは思わない。(工期が)あの通りになるとは思わない」
JR東海 中央新幹線建設部 名古屋建設部・古谷佳久担当部長: 「地元の皆さんの意見を聞いてしっかりコミュニケーションを図って進めていくのが大切」 JR東海は飯田市の新しい駅も予定した2026年3月までの完成は難しいとして、7月、住民説明会を開くことにしています。
長野放送