ビットコイン半減期──マイニング業界に「弱肉強食」の時代到来
業界再編の波
急成長しすぎたマイナーは現在、資金繰りに苦しみ、希望の光を求めている。苦境にあえぐマイナーは、コスト削減、バランスシートの補強、資本増強を必要としており、これらはすべて、業界におけるM&Aのきっかけとなる可能性がある。 コスト削減は「マイニング業界に今後押し寄せる再編の大きな原動力となるだろう。役員報酬、保険料などの経費は、半減期後の環境における規模の経済から恩恵を受ける」とマイニングサービス会社ルクソール・テクノロジーズ(Luxor Technologies)のイーサン・ヴェラ(Ethan Vera)COOは語った。 M&Aにはさまざまな形があり、複雑になることもある。しかし、ヴェラ氏によれば、目立つかもしれないトレンドのひとつは、非上場マイナーと上場企業の合併だ。 「ビットコイン価格の勢いを受けて、非上場および上場マイニング企業の株主は、上場企業を通じてこのポジションの一部を清算する道を探すだろう。そのため、多くの非上場企業は、流動性へのアクセスを得るために、上場事業会社やシェルカンパニー(企業買収を目的としたペーパーカンパニー)と合併するはずだ」とヴェラ氏は述べた。 マイナーはおそらく、ハット・エイト(Hut 8)の合併を「強力なバランスシートと高い成長機会をあわせ持つ事業体を合併させるケーススタディとして利用するだろう」とヴェラ氏は付け加えた。 ファビアーノ氏も、どのような展開になるのかという質問に対して、同じように答えた。 「中堅・小規模マイナーは、コスト曲線の下限に位置することを優先すべきだ。市場に資本の制約があることを考えると、M&Aもひとつの道。一方、大規模マイナーは、ライバルと一線を画す成長ストーリーに集中すべきだ」 「弱肉強食」というジャングルの掟が、マイニング業界にも解き放たれようとしている。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Halving Is Poised to Unleash Darwinism on Miners
CoinDesk Japan 編集部