次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
首都高パトロールは11月5日、首都高速道路 山手トンネルのパトロールで運用する新バイクを発表した。これまで首都高バイク隊ではホンダのCB400SBを運用していたが、新たにBMWモトラッドの「F900XR」を採用する。 【写真】シート下にはこんな装備が!? 新しい黄バイの詳細画像はこちら(全34枚)
黄バイって何? なぜ新型を採用?
首都高パトロール株式会社は2007年から首都高速の熊野町JCT~西新宿JCTにある山手トンネルの供用開始と同時に、「首都高バイク隊(通称:黄バイ)」の運用を開始している。首都高バイク隊は山手トンネル内で事故や火災が発生した際に、いちはやく現場に急行し、状況確認や避難誘導などを行う役割を担っている。 バイク隊発足当初はホンダの「CB400SB(スーパーボルドール)」が配備されていたが、同モデル生産終了のアナウンスを受け、首都高パトロールは後継車両としてBMW Motorrad(以下、BMW)の「F900XR」を新しく採用した。
黄バイの新旧モデルでの違いは?
首都高パトロールではF900XRの導入理由として「安全性・迅速性・耐久性などを考慮し、さまざまな状況の中でも安定した冷却性能と電力供給機能を発揮することが期待できる」と挙げている。なお、新旧の黄バイではスペック上でも違いがあるので比較してみよう。 ■■ホンダ CB400SB 首都高バイク隊仕様■■ 排気量:399cc 車両重量:220kg シート高:755mm 全幅:910mm 必要免許:普通自動二輪(中型) ■■BMW F900XR 首都高バイク隊仕様■■ 排気量:895cc 車両重量:250kg シート高:795mm 全幅:860mm 必要免許:大型自動二輪 車両が大型になったメリットとして、排気量の増加にともない、ラジエータ、電動ファンが大型化し、夏場に高温となるトンネル内でのオーバーヒートの発生リスクを低減。また、発電量が増加したことで、無線や拡声器、赤色回転灯などの電装品への電力供給が安定。さらにオンロードからアドベンチャータイプに変わったことで、悪路走破性や段差乗り越え性能が向上したという。 このほか、首都高バイク隊仕様のカスタムでは、サブバッテリーを追加搭載し、停車中の電力供給の不安を解消。イエローのボディにはブルーの反射ステッカーを貼ることで、暗がりでも光が当たると視認しやすくなった。また、赤色回転灯が前モデルよりも高い位置まで伸びるようになったことで、車両越しでも視認しやすくなったという。
F900XRの今後の運用予定は?
首都高バイク隊仕様にカスタムされたF900XRは、2024年12月よりまず3台が運用開始される予定だ。合計9台配備されている車両のうち3台が入れ替わることになり、残り6台はCB400SBの車検更新時に合わせて3台ずつ入れ替える予定だ。なお、9台の運用内訳は、志村基地、大橋基地、大井基地の3拠点に2台ずつ配備され、残り3台は予備として扱われる。 山手トンネル内のパトロールは常に2台で巡回しており、直近3年の実績は2021年度が439回、2022年度が440回、2023年度は451回と高頻度で出動している。運が良ければ新しい黄バイを目撃できるだろう。
文=KURU KURA編集部