イーサリアム2.0は、DeFiをどう変えられるか
ダンクシャーディング
レイヤー2専用の「ダンクシャーディング(danksharding)」などの開発のおかげで進化が見られた。ダンクシャーディングには、提案者とビルダーの分離(PBS)が含まれている。これは、イーサリアム・バリデーターが現在機能している方法(ブロックの提案とブロードキャストを完全に独自に行う)とは異なる。代わりに、PBSは同じ精神のもとでタスクを複数のバリデーター間に分割する。 究極的には、ダンクシャーディングはデータの可用性を実装するのに役立ち、バリデーターがBLOBデータを迅速かつ効率的に検証すると同時に、欠落しているデータを特定できるようにしてくれる。 ここでの目的は、レイヤー2での取引をユーザーにとって可能な限り安価にし、イーサリアムをスケールして、1秒あたり10万件を超える取引を検証できるようにすることだ。これにより、ユニスワップ(Uniswap)などの分散型アプリケーション(dApp) は、取引の承認時間を短縮し、大幅に低いコストで取引を処理できるようになる。 ただし、ダンクシャーディングの高度な技術インフラと実装では、より小さなロールアップが省略され、中央集権化が促進される可能性がある。したがって、この技術は現状では人気がなくなったものの、ハードウェアの削減やスケーラビリティの向上といった利点から、この技術自体を改善して次世代のイーサリアムに役立てられることがわかる。それは、おそらく「イーサリアム3.0」となるだろう。 イーサリアム2.0の規制および分散化の分野における大きな進歩は無視できないものだ。ネットワークの運用や法的に勝ち抜くために、ネットワークが少数のアクターに依存することを減らすのは、すべて前向きな一歩となる。しかし、ネットワークとしてのイーサリアムの次の段階には、進化してゆく法的要件に適応し、DeFi および主流のブロックチェーンの使用の両面で変革をもたらす力として、確固たる地位を打ち立てることが含まれる。 こうしたハードルがあるにせよ、イーサリアム2.0の現在の成果は、エコシステムを正しい方向に導いている。未来に焦点を当て、分散化への取り組みを再確認することで、イーサリアムはブロックチェーン分野でイノベーターとして主導的な役割を担い続ける力を持っている。 身辺を整理することは、自らのレガシーを固める、ほんの一歩に過ぎない。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:How Ethereum 2.0 Can Transform DeFi
CoinDesk Japan 編集部