米GDP、7-9月は堅調なペースで拡大-個人消費が予想上回る
(ブルームバーグ): 米経済は7-9月(第3四半期)に堅調なペースで拡大した。世界的な逆風や11月の米選挙を控えた不透明感にもかかわらず、家計と企業が底堅さを維持した。
個人消費は2023年初頭以来の高い伸びとなった。自動車や家具、娯楽用品など、財への支出が全体を押し上げた。
食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア価格指数は2.2%上昇。伸びは米金融当局の目標にほぼ一致した。市場予想は2.1%上昇だった。
GDP統計は利下げが開始される中で、国内需要に勢いがあることを示している。また有権者にとっては、自身の家計状況に照らし合わせながら米経済の動向を見極める上で、選挙を前に発表される最後の手掛かりとなる。
ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのエコノミスト、カール・ワインバーグ、ルビーラ・ファルキ両氏はGDP統計について「ほぼ全く問題がない内容」と指摘。「経済が必要としているのは適度なペースで着実に金利が正常化することであり、それ以上ではない」と述べた。
純輸出がGDP全体を0.56ポイント押し下げた。港湾労働者のストライキが長引きかねないとの懸念から、小売業者が消費財の輸入を急いだことが背景にある。在庫も0.17ポイントの下押し要因となった。
最終需要が好調
基調的な需要の強さを測るインフレ調整後の国内民間最終需要は3.2%増と、今年最も高い伸びとなった。
政府支出は年率5%増加。連邦政府の支出が2021年初頭以来の大幅増となり、全体を押し上げた。国防支出は14.9%増と、2003年以来の高い伸び。国防費を除く連邦政府の支出は1年ぶりの高いペースで伸びた。
設備投資は年率3.3%増。構造物への投資が足かせとなり、1年ぶりの低いペースとなった。一方、機器への投資は2023年4-6月(第2四半期)以来の高水準。個人消費は全般的に加速した。
コンピュータ・周辺機器への投資は32.7%増と、2020年以来の高い伸び。人工知能(AI)ブームが続いていることを示している。