31日は「野菜の日」 飲食各店、工夫の一皿用意 摂取増やし健康に
31日は「野菜の日」。野菜をたっぷり使った夏ばて解消料理が、人々の食欲をかきたてる。各飲食店は、栄養バランスに気を配る人、肉と一緒にがっつり食べたい人など、幅広い層に向けた満足度の高い商品を提供。野菜を中心とした食生活の習慣化を提案する。 【画像】1皿で400グラム以上の野菜を使った「冷やし野菜炒め」 夏は厳しい暑さで野菜摂取が減りやすい。総務省の家計調査によると、生鮮野菜の1世帯当たり支出額(2人以上の世帯・2023年)は7、8月がそれぞれ5709円、5688円。2月(5392円)に次ぐ低さで月平均を1割下回る。夏ばてで食欲が落ちやすく、野菜の取り方にも工夫が必要だ。 「サラダを主食に」をコンセプトに、サラダボウル専門店を展開するWith Green(東京都中央区)は、1杯で満足できるサラダボウルが人気を集める。近年出店を急拡大し、20年に10だった店舗数は今月、30を突破した。 多彩な野菜は国産にこだわり、柔らかく緑色が濃いグリーンカールを全メニューに使う。味が強いニンジンは主張を抑えつつ食感を残す細切り、キュウリははじける水分が楽しめるダイス状など、野菜一つ一つの形と大きさから緻密に設計する。 7、8月は、10種以上のスパイスで味付けしたチキンに夏野菜、スパイシーなキーマカレーに甘夏と、夏でも食欲が湧く2品を商品化。野菜10種類、合計350グラム入った「1日分のまるごとサラダ」も人気だ。 客層は20~40代の女性が多く、リピーターが7割に上る。広報部の多田ゆりあマネージャーは「気軽に野菜を取れる場を提供して日常的にサラダを食べる習慣を広め、日本の農業振興に貢献したい」と、企業理念を語る。
野菜炒め専門店 ボリューム満点
「二郎系ラーメン」を思わせる皿からは、湯気が一切上らない。大量の野菜炒めの上には、豚の背油の代わりに大根おろし。野菜炒め専門店「ベジ郎」は今夏、一風変わった限定商品「冷やし野菜炒め」を商品化した。 野菜炒め専門店というコアな業態で、東京と大阪に4店舗展開。野菜は普通盛りでも400グラムと大量に使い、ボリュームたっぷりのから揚げと合わせる。池袋東口店(豊島区)はカウンター席のみの小さな店だが、30、40代男性を中心に1日200人が訪れる。 課題は夏の集客だった。店を運営するフードサプライ(大田区)の古町卓也新事業開発室長は「涼しく食せる挑戦的なメニューで季節を問わず楽しめる味を提供し、週に1日でも野菜中心の日をつくってほしい」と話す。
日本農業新聞