イチジク栽培におすすめの進化系園芸資材を紹介!プロは実際どうやって使っている?【趣味の園芸11月号こぼれ話・後編】
生育が旺盛で育てやすく、短期間で収穫できるイチジクは、家庭向きのおすすめ果樹。『趣味の園芸』2024年11月号では、果樹栽培のプロフェッショナル・大森直樹さんに、イチジクの基本の栽培方法から、もっとおいしく育てるプロの技まで、詳しく教えていただきました。 みんなのイチジク栽培の写真 ウェブだけで読める「こぼれ話」の前編では、イチジク栽培の最後のポイント〈収穫のコツ〉についてお伝えしました。後編では、誌面で紹介しきれなかった、イチジク栽培におすすめの進化系園芸資材のすごいところや使い方を、さらに詳しく伺っていきます。
スピード栽培をサポートするポリエステル媒地
編集部(以下、編):誌面で紹介していただいたことのなかで、一番衝撃的だったのは「鉢植えなら、春に植えて最短でその年の秋には収穫も可能」という話です。 大森直樹(以下、大):信じがたいかもしれませんが、本当です。イチジクは野菜みたいな果樹なんです。植えつけから1年待たず、収穫できる可能性も十分にあります。普通の培養土などでもよいですが、紹介したポリエステル媒地も使えばほぼ確実です。 編:ポリエステル媒地も驚きでした! ものだけ見ても、用土代わりになるとは思えませんでした。 大:たしかに用土には見えないと思います。誌面でも紹介したように、通常の培養土などを使用したときに比べると、生育スピードが格段に速いです。徒長しづらく、株がコンパクトに育つのもよい点です。
編:何がそんなによいのでしょうか? 大:さまざまな理由があると思いますが、やはり通気性がよく植物に与えるストレスがすくないのは、大きいでしょう。春の植えつけから夏前までは培養土などで育てている株とそれほど差は出ないのですが、夏以降にはっきりと差が出てきます。 編:夏を越しやすくなるのはうれしいですね。 大:ただし、通気性がよすぎて困る面もあります。私が指導している生産者さんには、1日9回水やりが必要だ、という方もいます。自動かん水機と合わせて使うのがおすすめです。最近はタイマーつきのものも市販されています。 編:1日9回!それは人の手だけでは大変ですね(笑) 大:あと、ネットで入手できるようになったとはいえ、通常の培養土よりはまだまだ入手しづらいです。鉢の下3分の1はココピートで、ポリエステル媒地は上3分の2、という形で使ってもよいと思います。 編:入手しやすい用土と併用するのですね。