神楽坂の新たなスペース〈PAAMA〉が韓国のアーティスト、イ・カンホの展示で幕開けしました。
事前に工事中の〈パアマ〉を訪れ、写真でも空間を共有されていたというカンホ。「この空間では単調な色の作品があまり映えないように思い、色味の鮮やかな作品とすることにしました。そういった意味で、空間が積極的な制作を促してくれました」と話す。 「私の作品はどんな空間にも合わせることができる柔軟性を持ち合わせているように思います。ただこの空間に置かれることで、どんな形に見えるのかはとても気になっていました。ぽんと置かれるのではなく、私と作品が一体となって置かれているように感じられて満足しています」
また、同展に合わせて前田がアートディレクターを務める『TOO MUCH Magazine』の編集チームによる展覧会の作品集も発売される。前田が韓国にあるカンホのスタジオを訪れ、作品やワークショップを撮影。今展の作品は写真家の伊丹豪が撮影した。今春現在の場所へ事務所を移した前田は、それとともに新しい試みをしたいと考えたという。 「自分でスペースを作ったことで、そこに新しいギャラリーやコレクティブのような場を作りたいと考えるようになりました。そこで関さんに内装をお願いし、どういった空間が面白いのかを議論したものです。一方でずいぶん前から『TOO MUCH Magazine』の編集チームにカンホさんの活動を聞いており、この場で何かをやろうと思ったときに彼のことが直感的に思い浮かびました。この場はあくまでギャラリーというよりもスタジオに併設されたスペース。ギャラリーのような機能をあまり持たないぶん、このスペースらしい持ち味として何ができるかを考えたい。そして僕たちのスキルで運営できる内容を突き詰めるなかで、アジアのアーティストの価値を高めるようなことができたら面白い。欧米の価値観に紐づくようにアジアの価値を見るのではなく、アジアの地域で独立して盛り上がればいいという気持ちがあります。今後も日本のアーティストを含め、アジア圏のプレゼンスに注目して紹介を続けていきたいです」(前田) その新たな視点に、これからの活動を期待したい。
イ・カンホ個展『オブセッション』
〈PAAMA〉東京都新宿区矢来町160-1サクラハウス神楽坂矢来町1F-B1。~2024年12月7日。13時~18時。日、月、火休。Instagram:@paama_jp
photo_Kenya Abe text_Yoshinao Yamada