公的年金だけで暮らすシニア世帯は41.7%…標準夫婦のモデル年金額例は「月額約23万円」に
令和の年金世代が受給する国民年金・厚生年金の見込み額はいくら?
●標準的な夫婦が受け取る年金は「月額約23万円」 厚生労働省は、2024年度の公的年金支給額は前年度よりも2.7%の増額となることを発表しました。 より具体的には、保険料を40年間納めた場合に受け取れる国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万8000円、標準的な夫婦世帯が受け取る厚生年金は二人分で23万483円となっています。 ただし、厚生年金の受給額については、「標準的な夫婦世帯」として、40年間標準的な収入がある会社員の夫と専業主婦の夫婦というモデルケースを想定した金額であることには注意が必要です。 また、国民年金についても、保険料の未納期間や免除期間がある場合にはその分減額されます。 これらを踏まえて、次は高齢者世帯が実際に受け取った国民年金・厚生年金それぞれの平均受給額のデータを見ていきましょう。
国民年金と厚生年金「実際に支給された平均月額」をチェック
厚生労働省年金局が公表する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、2022年度末時点での国民年金と厚生年金の平均月額を確認することができます。 ●【国民年金】平均月額のデータ(全体・男女別) 男女全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 国民年金の平均月額は全体で「5万6316円」です。男女別に見ても、ともに5万円台となっていて差はあまり見受けられません。 また、特に人数の多いボリュームゾーンは「6万円~7万円未満」です。 ●【厚生年金】平均月額のデータ(全体・男女別) 男女全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 厚生年金の平均月額は「14万3973円」です。男女別に見た場合には、男性が16万円台に対して女性が10万円台と、国民年金よりも金額差が大きくなっています。 また、ボリュームゾーンに注目しても、「9万円~11万円未満」「17万円~18万円未満」と受給額が多い方と少ない方で金額に幅があるのが特徴的です。 一律の保険料を納める国民年金とは異なり、厚生年金では現役時代の年金加入期間や収入が老後の支給額へと大きく反映されるため、その分個人差が生じやすいという訳です。 そのため、平均額を知るだけでなく、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」なども活用して、自分が将来に受け取る年金の見込み額を確認しておいた方が良いでしょう。