ロシア国防省“大粛清”の背後に「プリゴジン名誉回復」
クレムリンでは、ショイグ色の一掃を狙った粛清の可能性が囁かれる(Iakov Kalinin/shutterstock)
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者で、昨年8月に謎の航空機事故で死亡した故エフゲニー・プリゴジン氏の銅像除幕式が、誕生日に当たる6月1日、サンクトペテルブルクの墓地で行われ、ワグネルの兵士や市民らが献花した。 現地メディアによれば、支持者やワグネル部隊のイニシアチブで建立が決まり、工費は10万ドル。プリゴジン氏は愛国勢力やロシア軍兵士らの間で依然人気が高く、一部の右派ブロガーは今も同氏を称えており、一定の名誉回復を思わせる。 一方で、5期目に入ったウラジーミル・プーチン大統領は5月12日、プリゴジン氏が罵倒したセルゲイ・ショイグ国防相を解任し、安全保障会議書記に異動させた。国防省や軍では、ショイグ派と目される人脈の逮捕や更迭が相次ぎ、プリゴジン氏と親しかった人物の台頭がみられる。「プリゴジン復活」が権力構造の変化をもたらしかねない。
本文:4,031文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
名越健郎