7年連続「穴場だと思う街」1位に選ばれた「北千住」には何がある?若年層人気のメリットと「落とし穴」
リクルートのSUUMOリサーチセンターでは、毎年「住みたい街(駅)ランキング」を調査、公表している。ランキング上位には人気が高いゆえに価格も高く、簡単には購入できないエリアが多いが、なかで注目しておきたいのが、7年連続で「穴場だと思う街」のランキングトップになっている北千住。どんな魅力があるのだろうか。 「軽井沢の別荘」を買って家族が「バラバラ」になった、元商社マンの悲しい末路
見かけ上は安く見えても…?
リクルートSUUMOリサーチセンターの「SUUMO住みたい街ランキング2024首都圏版」のトップは、JR京浜東北線などの「横浜」で、2位がJR京浜東北線などの「大宮」、3位がJR中央線などの「吉祥寺」と続いている。 ベスト10の顔ぶれをみると、多くは都心やその周辺の街(駅)で、マンション価格の高いエリアがズラリと並んでいる。 図表1にあるように、ランキング8位のJR山手線などの「品川」は9980万円で、やはり山手線などの「恵比寿」が7652万円、山手線などの「渋谷」が7430万円といった具合だ。 なかには、「新宿」の3573万円、「横浜」の4138万円といった3000万円台、4000万円台の街もあるが、これはあくまでも平均価格で、都心やその周辺などではワンルームなどの専有面積の狭い物件が多く、それが平均値を押し下げている面がある。 その典型が「新宿」。平均3573万円と予想外に安い気がするが、これは、ワンルームなどの専有面積の狭い物件が多いために平均値が低くなっているだけで、ファミリー向けの3LDKは9379万円で、4LDK以上では平均でも1億円を超えてしまう。
都心へのアクセスも良好
それに対して、東京メトロ千代田線などの「北千住」は、総合ランキングでは23位だが、中古マンションの平均価格は4151万円と、東京23区のなかではかなりリーズナブルな価格帯となっている。 しかも、ファミリー向けの3LDKの価格をみても4882万円と先の「新宿」に比べると格段に安い。ワンルームなら2316万円なので、若いうちにまずはワンルームなどを取得して、それをもとに将来的にファミリータイプにステップアップしていく方法を考えてもいいのではないだろうか。 新築マンションをみても、都心へのアクセスの良さなどを考慮すれば、かなりリーズナブルな価格設定になっている。 たとえば、「北千住」駅徒歩5分で分譲されている「アトラス北千住」は、鉄筋コンクリート造地上14階建て、総戸数138戸のマンションだが、2024年4月中旬の第3期販売では、30㎡台の1Kが4400万円台、61㎡台の2LDKが9700万円台の価格設定。坪単価を計算すると、474万円から516万円程度になる。 最寄り駅から徒歩5分の駅近マンションで城南・城西エリアのアトラスマンションと比較すると、たとえば都営地下鉄浅草線「高輪台」駅徒歩3分の「アトラス白金台レジデンス」は、58㎡台の2LDKが1億3898万円で販売されている。坪単価を算出すると800万円近くになる。 白金台という人気エリアなので、単純な比較はできないかもしれないが、都営地下鉄三田線などの「春日」駅徒歩5分の「アトラス文京小石川」は、54㎡台が8698万円だから、坪単価は532万円ほどになり、400万円台もある北千住はリーズナブルな価格設定ということができそうだ。 アトラスマンション以外にも、いくつかの新築マンションが販売されていて、たとえば「北千住」駅徒歩15分の「プレシスヴィアラ千住曙町」は、33㎡台が3680万円で、46㎡台が4440万円だから、徒歩時間は多少長くなるものの坪単価は300万円台に下がる。