人気動物が消えるハプニングも… “昭和の動物園”がリニューアル 成功請負人の新園長が目指した「本物感」
この日はオスのヤギがマウントを取り合っている様子が、目の前で繰り広げられていました。
そして獣道をヤギが走り抜ける様子も…。 高橋さん: 「すごく迫力がありますよね。ヤギはこういう斜面が大好きなんですよ」 そして、別の場所ではメス同士の戦いも起きていました。
高橋さん: 「これはリアル、本当にここに来ないとわからないですよね。スマホとか図鑑とかでは見られない迫力があります」
■「業者任せにしない」…“手作り”で自然に近い展示に
動物が過ごすスペースなどを「業者任せにせず、自分たちでできるところは手作りで」というのもコンセプトのひとつです。
前日の夜に完成させたというワオキツネザルの部屋。配置されている植物も自分たちでホームセンターで買ってきたといいます。
以前はコンクリートに囲まれていましたが、自然の環境に近い、土と木で囲まれた部屋に模様替えしました。
カピバラが過ごすスペースは、本来生息している水辺に近い環境にと、プール付きの部屋に改修。
男性スタッフ: 「(以前は)プールが無かったので水をためる時間とか、そういうところとか(作業が)倍以上になっているので、探り探りでやっている」
まだ手探りではありますが、リアルにこだわる新園長の思いは形になりつつありました。 男性スタッフ: 「環境が今までと全然違うので。生息地に近いような場所にしているので、そこで暮らしていた状態が見られるんじゃないかなと思いますね」
高橋さん: 「いや~素晴らしい、ちゃんと話せるね。ちょっと成長したなっていう、素晴らしい!」 若手スタッフも、日々成長しています。
■順調に見えた準備も動物の脱走や行方不明が相次ぐ“事件”も
そして、動物園の人気者、オグロプレーリードックの「むちこ」は、土のある部屋へとやってくると、ものすごい勢いで土を掘り始めました。
もともと土を掘る習性があるといいます。
高橋さん: 「掘りたいんだなあ。本来あるべき姿が見えるから、すごくいいよね。これをやっちゃうとね、飼育係が辞められなくなる」 女性スタッフ: 「達成感が、毎日の達成感がすごい」 準備は順調に進んでいるように思われましたが、オープンの25日前の6月4日、“事件”は起きました。 気持ち良さそうに土を掘っていたプレーリードックの「むちこ」が見当たらなくなりました。部屋を隅々まで探しても見つかりません、どこからか逃げ出したのでしょうか。