「親の理想を押しつけた」ガレッジセール・ゴリ 小学校受験を体育座りでボイコットした我が子にかけた「言葉」
■「お前が幸せなら、自分も幸せだから」 ── お子さんが大きく成長された今、何か話をしていますか? ゴリさん:長男は今、大学3年生で、将来どうするかを考えているところなのですが、ゲームが好きみたいで、ゲームやプログラミングの勉強をしています。僕は「お前が幸せで笑ってくれるのなら俺も幸せだから。自分が選んだ道を進んでくれ」と伝えています。 だって、自分も2浪してせっかく大学に入学できたのに、大学2年で「お笑いをやる」って大学を辞めて。最初、親には反対されたけど、最終的には自分の決断を許してくれた。そんな親には感謝しているんです。息子には「好きな方向に進んでくれればいいから、とにかくたくさん社会を見たほうがいいよ」と伝えたいです。
── お子さんと将来のことを話す時間を定期的に設けたりしますか? ゴリさん:いや、全然(笑)。何かあったときにポツリポツリと言うだけです。いつも言うのは、「みんなが幸せだと思うものだけが幸せじゃなくて、自分が幸せだと思えることが一番幸せだから。これに勝てるものはない」ってこと。 実は、僕の父も映画監督を目指していたんですよ。実際は助監督だったんですけど、結局、親父は「才能がない」って監督の道を諦めて、母親と(沖縄の)国際通りでベビー用品店を始めた。そうしたら、それが当たって繁盛して。だから僕は貧乏ではない家庭で、さほど不自由なく育ちました。
親父は、「たとえ自分が大切にしていた目標で挫折したとしても、別の道で成功して幸せになるパターンもある」と、身をもって僕に教えてくれたと思っています。だから、息子に対しても「目標を諦めるくらい失敗しても、人生の失敗だと思わなくてもいいよ」って思ってるんです。 PROFILE ガレッジセール・ゴリさん 本名・照屋年之(てるや・としゆき)。1972年、沖縄県出身。1995年に相方の川田広樹さんとお笑いコンビ・ガレッジセールを結成。バラエティ番組、ドラマなど、芸人としてだけでなく俳優として、また2009年からは監督した映画が高い評価を得る。2025年年始めには、照屋年之としての監督映画『かなさんどー』が公開予定。プライベートでは2児の父。
取材・文/高梨真紀 写真提供/ガレッジセール・ゴリ
高梨真紀