「親の理想を押しつけた」ガレッジセール・ゴリ 小学校受験を体育座りでボイコットした我が子にかけた「言葉」
芸人として、さらには映画監督としても活躍しているお笑いコンビ・ガレッジセールのゴリさん。2人の子どもを育てる父親でもあるゴリさんは、子育てでは「体温が感じられる関係性」を大切にしてきたと話します。(全4回中の4回) 【写真】「なんておしゃれな父親」52歳の今も若々しいガレッジセール・ゴリさんの近影 ほか(全17枚)
■母に甘えられなかった僕「わが子には寂しい思いをさせたくない」 ── 2003年にご長男が誕生されています。子育てではどんなことを大切にされてきましたか? ゴリさん:僕は6歳のときに、事情があって大阪の親戚に預けられたんですが、その経験がどうしても心に残っていて。「母ちゃんに甘えたかったなあ」という思いがすごくあったんです。当時、母は2か月に1回、出張で大阪の親戚の家に来ていて。夜は隣に布団を敷いて寝てくれるんですけど、僕は夜中に必ず目が覚めて、そっと母ちゃんの布団に入るんですよ。それで母ちゃんの体を触るんです。甘えたくて。日中はそんなふうに甘えられないから、寝ているときにそっと抱きついたりするんですけど、母ちゃんは途中で寝がえりを打って背中を向けるんですね。今振り返ると、あのとき、実は母ちゃんは起きていたんだろうなぁ。僕は「ヤバい、起きるかな」ってドキドキしていたんですけどね。
そんな子ども時代の「母親に満足に甘えられなかった」というトラウマが、大人になってからも心に残っていて。「自分が親になったら、できるだけ子どものそばにいてあげたい」といつも思っていました。 だから、長男が生まれた日は、親が寝泊まりできる産院だったので、僕は子どもとずっと一緒にいて、腕枕で寝かせてましたからね。退院後もできる限り一緒にいたくて、仕事が終わったらすぐ家に帰って。お風呂に入れて、いっぱい抱っこして、僕の胸の上に寝かせていました(笑)。僕にとって、愛情を伝える一番の方法は、たくさんの愛の言葉より、体温を伝えることでした。特に子どもたちが小さいころは、一緒にいることを大事に、常に肌を密着させるようにしていましたね。