3000万円超の新型レンジローバーは何もかもが異次元!!! “SUVのカタチをしたリムジン”とも言うべき巨大な4人乗り仕様に迫る
かなりの迫力
エンジンは、4.4リッターV型8気筒。低回転域から高回転域までカバーする領域を広げたツインスクロールターボチャージャー装着だ。 今回乗ったのは2023年モデルの「P530」で、最高出力は390kW(530ps)、最大トルクは750Nmと、数値だけみてもかなりのハイパワー。操縦すると2.7tという重量級のボディの重さはまったく意識させない。 発進からもたつく感じはいっさいない。大柄な車体でありながら、ロケット的な加速感が味わえる。かなりの迫力だろう。周囲のクルマのドライバーが時々驚いた表情を浮かべて、すばやい視線を投げかけてくるのを眼の端でとらえることができる。 エアサスペンションのシステムのおかげで、速度が上がっていっても、たとえややきつめのカーブだろうと、操縦性の高さは特筆すべき。車体のロールはしっかり抑えられ、軽快なとさえいえるフットワークを楽しめる。 ドライバー席のまわりは、後席とはまた違う意味で、ぜいたくに作られている。SVとは「スペシャルビークルオペレーション」という特装部門を意味していて、素材や色づかいが標準モデルと一線を画している。 書き出すとキリがないので、ここではやめるが、ドアを開けただけで気分が昂揚する車両に興味がある人は、「SVビスポークサービス」を販売店でチェックしてみるといいと思う。シフトレバーやダイヤルなども、すべて特別。触れるたびになんだか嬉しくなってしまうほどだ。 このあとSVにおいては、2024年モデルとして、エンジン出力が452kW(615ps)へとアップする「P615」(ロングホイールベースで3267万円)が控えている。ダッシュボードからは物理的コントローラーが減るなどデジタライズ化がさらに進むなど、今回のP530は一線を画すモデルなので、悩ましい選択になりそうだ。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)