火災保険の風災補償とは? 補償を受け取れるケースと契約の見直しポイントを解説!
台風や突風などによって生じる損害への補償は、風災補償として火災保険の基本補償に含まれているのが一般的です。この記事では、風災補償で保険金を受け取れるケースやチェックポイントについて解説します。(ファイナンシャルプランナー・平野雅章) 2024年、火災保険料の値上げ幅が最も高いと予想される都道府県は?
火災保険の風災補償とは?
損害保険の一種である火災保険は、さまざまな自然災害や火災、盗難などによって生じた建物や家財の損害を補償します。 一般的に、風災補償は火災保険の基本的な補償の一つとして組み込まれており、台風・暴風・突風・竜巻などの風によって生じた損害を補償します。通常、雹(ひょう)や雪による損害の補償とセットになっています。
風災補償の対象となるケース
火災保険では、補償の対象として建物と家財の両方またはいずれかを選ぶことができます。 具体的には、以下のような損害が風災補償の対象となります。 (1)強風による飛来物がぶつかり、屋根材や窓ガラスが割れた (2)強風で屋根材に浮きが生じ、天井に雨漏りが発生した (3)強風で雨どいが壊れた (4)強風でカーポートの屋根が壊れた (5)強風で自転車が倒れて壊れた (6)強風で屋根が壊れ、そこから雨が入ってテレビが故障した この場合、(1)~(4)は全て建物の損害のため、補償の対象として建物を選んでおけば補償を受け取れます。しかし、(5)の自転車や(6)のテレビは家財に含まれるため、家財を補償対象に選んでおかなければ補償を受け取ることはできません。 なお、(6)のように建物の外側の部分が風により破損し、破損部分から建物内部に風や雨が吹き込むことにより生じた損害も風災補償の対象になります。 また、マンションは風による被害を受けにくい印象があるかもしれませんが、以下のようなケースでマンションも風災補償の対象となることが少なくありません。 (7)台風による飛来物で窓ガラスが割れ、入り込んだ雨水により壁紙や家財道具に被害が出た (8)台風によってマンション屋上のシート防水が破損し、発生した水漏れで壁紙や家財道具に被害が出た ただし、分譲マンションは、区分所有者がそれぞれ所有する「専有部分」と、所有者全体で共有する「共用部分」とに区別されます。マンションの所有者は個人の火災保険に加入しますが、建物として保障の対象となるのは専有部分のみであることが一般的です。共用部分は、別途マンション管理組合が火災保険に加入します。 通常、窓ガラスやシート防水は共用部分となります。そのため、(7)の窓ガラスや(8)のシート防水は個人で加入した火災保険の対象外ですが、壁紙は建物として、家財道具は家財として補償対象になります。 風災補償で保険金が支払われないケース 風災補償で保険金が支払われない代表的なケースも確認しておきましょう。 自動車は火災保険の家財に含まれず、補償の対象外となります。なお、自動車に車両保険(一般型またはエコノミー型)を付けていると、風災による損害に対しても補償が受けられます。 また、もとからあった隙間(通風口・閉め忘れなど)や経年劣化、住宅の欠陥を原因として雨漏りが発生した場合も補償の対象外となります。 風災補償の対象となるのは、風が原因で建物の外側の部分が破損し、そこから雨が吹き込むなどして被害が出た場合に限るので注意が必要です。