長﨑美柚らを輩出 神奈川の名門卓球場・岸田クラブ コロナ禍で創設者の父を亡くした次女と仲間の奮闘物語
意外に狭い卓球場
――名門・岸田クラブ、もっと広い卓球場を想像してました(笑)。 三木朋子:全然です。これでも一度、増築したんですけどね(笑)。 台が限られていて、小学生と中学生の時間を分けるので、他のクラブさんと比べて練習時間は短いと思います。 小学生は、平日の月水金16:30-19:00、火木は強化の子が18:00-21:30まで。土曜13:00-18:00、日曜が08:30-13:00ですね。 ――1日練習が取りづらいんですね。 三木朋子:なかなか難しいんですよね。 今の時代なので、中学生も部活だけじゃ練習が足りなくてやりたいという子も結構多くて。本当は、平日夕方に初心者の子を受け入れる時間も作りたいんですけどね。 なので、ホカバ神奈川代表になるような子たちは、クラブ以外にも家庭や公共の体育館でも、個人練習している子が多いですね。 三木朋子:本当はうちで練習しているだけで全国に出て勝てるのが理想ですけど、もう少し練習時間が取れないと難しいですね。 ただ、クラブ全体でみんなでやる練習と、例えば家族と個人的に課題を克服する集中練習をしたりというのも結構大事かなと思っていて、その意味でも、保護者の方の力があって成り立っているクラブです。
卓球場が保育園みたいな頃から
――ホカバ予選翌日なのに、子どもたち同士が集中して良い練習してるなあと思いました。 三木朋子:この一年くらいで、ようやく(笑)。 特に今の5,6年生はバンビ台2台出して、卓球場が保育園みたいなときから始めたので、この一年で、子ども同士でずいぶん良い練習ができるようになってきたなあと思います。 それまでは大人が相手しないと、子ども同士だとゲームは一生懸命できるけど、決まった練習は成立しなかったので。 大きくなってきて、良いボールが打てるようになってきましたね。 ――ホカバ神奈川県予選は、代表19人枠中の9人が岸田クラブでした。 三木朋子:ギリギリの子も通って良かったですよね。 でも、代表になれなかった子も、普段の練習よりも頑張っていたので、それが嬉しかったです。 三木朋子:めぐり合わせなので、また数年後はあまり代表を出せない時期が来るかもしれません。 代表になろう、外でも勝とうと思っている子は、目標があるので頑張れるし、卓球が好きでもそのイメージがない子は難しい面はありますね。