【バスケット全国高校選手権】藤枝明誠、夏の王者にあと一歩 3年連続4強入り逃す
バスケットボールの全国高校選手権第5日は27日、東京体育館で男子準々決勝、女子準決勝を行い、静岡県男子代表の藤枝明誠は82―83で全国高校総体覇者の東山(京都)に逆転負けし、3年連続の4強入りを逃した。 藤枝明誠は第1クオーター(Q)から渡辺聖の3点シュート、野津洸創と篠原遼太の連係プレーなどで22―16と主導権を握り、第3Qはロードプリンスを軸にリードを広げた。第4Qは野田凌吾のドライブなど開始4分で78―65と最大13点をリードしたが、残り1分55秒で80―80の同点に。残り27秒で金子來樹がねじ込み勝ち越したが、その後の守備でフリースローを与え残り4秒で勝ち越された。
金星するり 残り4秒でファウルの笛…
夏の王者を追い詰めた藤枝明誠に残酷な結末が待っていた。82―81の第4クオーター(Q)残り4秒。東山(京都)の猛攻に耐えてきた最後の守備で無情の笛が鳴った。フリースロー2本を沈められ逆転負け。手中にしかけた金星があと一歩ですり抜け、主将野田凌は「悔しいの一言。脚が止まり強気にアタックできなかった」と声を絞り出した。 勝利をつかんだかに見えた。80―80の第4Q残り27秒で、172センチと小柄な金子がゴール下に飛び込み値千金の勝ち越し弾。「自分のシュートで勝とう」と200センチ超の留学生らに囲まれながらねじ込んだ。だが、最後の最後で決死の守備がファウル判定。途中出場で9得点した2年生は涙が止まらない。 それでも、40得点の瀬川、25得点の佐藤の個人技で押し切りにきた東山に、「全員バスケ」で渡り合った。第1Qから先発5人が得点。主将野田凌の組み立てから野津、篠原の2年生コンビが好連係を見せれば、1年渡辺は外から射抜く。ロードプリンスは24得点しながらチーム最多タイの6アシスト。4人が2桁得点、計16アシストの多彩な攻撃で第4Q中盤には最大13点のリードを築いた。 3年連続の準決勝には届かなかったが、この3年間は夏、冬とも全て8強以上。過去2年よりも選手層は厚みを増した。「この日も10人が出場した。壁を越えるためにこういうチームを作っていく」と金本監督。ベンチ入り10人が1、2年生。新チームで柱になる野津は「必ず日本一を取る」と県勢男子初の全国制覇を胸に刻んだ。