2024年版 欧州最強の「高級SUV」 乗り心地がよく高性能、実用的なモデル 10選
欧州市場を制する10台
昨今の欧州では、生活費の高騰、切迫した気候変動への懸念、戦争など、実に多くの困難に見舞われているが、そんな中でも高級SUVの販売は依然として好調である。 【写真】「スポーティ」な走りが自慢の高級SUV!【レンジローバー・スポーツSVとポルシェ・カイエンGTSを写真で見る】 (40枚) 消費者の需要に応えようとするメーカーを責めることはできない。大型で高価なSUVモデルは、かなりの利益が見込まれている。長く続いたパンデミックによる販売制限もついに解消された。 高級SUVについてどう思うかは人それぞれだが、その多用途性や、エンジニアリングの奥深さは疑いようもない。 多くのメーカーが参入している欧州市場では、最高級セダンのような快適な居住性と、スポーツカーに匹敵する運動性能、どんな地形も走破するオフロード性能、7人乗りのスペースを確保したモデルが多数販売されている。 ハイブリッド・パワートレインを搭載したものも多く、デザイン、性能、価格などを含め、高級SUVの選択肢は非常に幅広い。 そこで、今回はその中からAUTOCAR英国編集部が厳選したベスト10を紹介したい。
1. ランドローバー・レンジローバー・スポーツ
長所:際立った洗練性。幅広い運動性能。ハイテク満載のインテリア。 短所:外観デザインが気に入らない人も多い。高価。ランドローバーの信頼性は高くない。 多くのブランドが高級SUV市場に参入しようとしてきたが、王者ランドローバーを追い落とすことに成功したブランドはまだない。 ここでは最上位のレンジローバーの弟分であるレンジローバー・スポーツを紹介したい。客観的に見て、大型で価格もはるかに高い兄貴分よりも、完成度が高く、購入する価値のあるクルマである。 第3世代となる現行型レンジローバー・スポーツは、「これ1台で、あらゆるニーズに対応できる」というキャッチフレーズにふさわしい。高級感あふれる内外装、圧倒的なオフロード性能、そして快適な乗り心地も期待できる。 広々とした室内空間と7人乗りレイアウトの多用途性も、人気の先代モデルから引き継がれたものだ。それよりも意外なのは、驚くべきダイナミクスである。そのボディサイズからは想像できないほど俊敏な感覚があるのだ。 これは、オプションのアンチロール・エアサスペンションとオプションの四輪操舵システムによって実現されたもので、特に後者は機動性を大幅に向上させる。 兄貴分のレンジローバーと同じ「MLAフレックス」プラットフォームをベースとし、あらゆる能力をハイレベルで備えている。インテリアは贅沢な雰囲気に満ちており、ランドローバー最新の13.1インチ・タッチスクリーンも魅力的な装備だ。 こうした装備や質感の高さは、価格設定にそのまま表れている。しかし、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルであれば、電気のみで122kmの走行が可能で、意外にも効率よく走ることができる。 ランドローバーの最新6気筒エンジン「インジニウム」も用意されており、マイルドハイブリッド付きのディーゼルモデルは、経済性、速さ、静粛性を魅力的な形で両立している。 燃費にそれほどこだわらない方であれば、BMW製4.4L V8エンジンを搭載したモデルもある。標準仕様では最高出力530ps、新型のフラッグシップモデル「SV」では 635psを発生する。 車両重量はヘビー級だが、走行性能を損なうものではない。特に、四輪操舵、アクティブ・アンチロールバー、トルクベクタリング・ディファレンシャルを含むオプションの「ストーマー・ハンドリング・パック」を装備した場合はその傾向が顕著だ。ハードなドライビングにもしっかり耐えてくれる。 レンジローバー・スポーツは本当に何でもこなすクルマであり、あなたが望む、あるいは必要とするすべてを備えた贅沢なSUVであるかもしれない。