【首都大学リポート】秋リーグ戦で好調維持の日体大・篠原颯斗 ドラフト候補の先輩目標にさらなる成長図る
「タイトルを獲りたい」
迎えたこの秋のリーグ戦では開幕2戦目の桜美林大2回戦で先発。自己最速タイの150キロをマークし、8回を1失点の好投。さらに、翌週の筑波大戦では初めて1回戦の先発に起用され、8回無失点で今季初勝利。さらに第3週の筑波大3回戦では「調子は良くなかったのですが速球と変化球のコンビネーションで抑えることができました」と10安打を浴びながらも1失点の粘投で2勝目を挙げた。 3カード目となった東海大戦は右腕エース・寺西成騎(4年・星稜高)が復帰したこともあって2回戦に先発。ピンチを迎えても「バッターも『打ちたい、打ちたい』と思っているからボールで球も振ってくれるので、際どいところに投げられました」と強心臓ぶりを発揮して得点を許さない。 5回裏にはヒットと盗塁で一死二塁とされるが、大前圭右(2年・大阪桐蔭高)を空振り三振。大塚瑠晏(3年・東海大相模高)もフルカウントからストレートで見逃し三振に仕留め、無失点で切り抜けた。 篠原の熱投に応えるように、打線は8回に鈴木斗偉(2年・山梨学院高)の2点タイムリーで先制。篠原は8回途中で降板したが「『3年生が活躍して、投手陣を底上げしていこう』と話し合っている」という同級生の伊藤大稀(3年・智弁和歌山高)が反撃を1点に抑えて2対1。投手戦を制した日体大が連勝で勝ち点を3に伸ばし、首位を堅持。篠原も3勝目を挙げた。この活躍に、古城隆利監督は「篠原には主戦として『チームへの責任を感じて投げていくべき』という話をしたのですが、苦しいといころを耐えきってくれました」と賛辞を送っている。 「今季はシーズンを通して投げ切るのが目標。5勝、6勝と白星を重ねて、タイトルを獲りたい。そして、リーグ優勝に貢献して、日本一を目指したい」 もちろん、プロ入りへの夢も不変だ。 「寺西さんが目標です。ただ、今は平均球速で2~3キロ劣っていますし、変化球も寺西さんのほうが良くて多彩なので、もっと近づいて追い越していかないと。そのためにも一球一球の強さを上げていきたい」 目標に掲げている寺西も、故障を乗り越えてドラフト候補まで上り詰めた。身近な先輩を良き手本として、さらなる成長を図っていく。 文=大平明
週刊ベースボール