COP28とは?世界の問題を議論するCOPの注目のテーマや概要を紹介
注目のテーマ
今回のCOP28で注目のテーマは、この3つ。 ・各国の温暖化対策の取り組みの総点検 ・ロス&ダメージ(気候変動の悪影響による損失と損害)の具体化 ・化石燃料の段階的廃止 “1.5度目標”の達成に向けてCOP28で特に注目されるのが、グローバル・ストックテイク(GST)です。GSTはパリ協定に基づいて各国が自主的に設定した、温室効果ガスの削減目標の進捗状況を評価するための仕組みで、今年は第1回が行われます。今後も5年ごとに実施して、目標達成に向けた改善へとつなげる狙いがあります。 各国は現在、2030年までの目標を国連に提出していて、COP28ではそれらを評価して、“合意文書”をまとめます。つまりGSTが1.5度目標にどれだけ沿っているか、もしくはどれだけ不十分なのかが、今回のCOP28ではっきりするということ。各国はその結果をふまえて、35年までの削減目標を決めることが求められています。 さらに注目の合意テーマでもある「化石燃料の段階的廃止」には、議長のリーダーシップはとても重要な要素。前述の通り石油会社のCEOも務めているジャベル気候変動特使は、6月のドイツ・ボンでの国際会議の場で「化石燃料の段階的廃止は避けられない」とも発言をしています。 段階的廃止の合意を得ることは難しい議論であり、議長の発言の真意もつかみきれない一面があります。そういった複雑な側面ももっていることから、 今回のCOPは「グリーンウォッシュ(環境に配慮しているように見せかけること)」の場になるのではないか、という懸念もあがっています。COP自体の意義が問われる機会になる可能性もあり、いっそう動向が注視されているのです。
重要な意味をもつ2024年
はじめてCOPが開催されてから、約30年。パリ協定で合意を得たのは大きな成果でしたが、現状の世界の削減目標を全て達成したとしても、1.5度目標の達成には程遠い現実もあります。 しかしそんな中でも注目なのが、再生可能エネルギーの価格の低下。 30年前の再生可能エネルギーは非常に価格が高く、安定した提供が難しいものでした。それが今や専門家の予想を超えたスピードで、より安価に手に入るエネルギーになってきているのです。 もちろん再生可能エネルギーにも、課題はあります。しかし記録的暑さや異常気象を経験した、2023年。どんな立場にある人も異変を感じるきっかけとなったのではないでしょうか。 今年のCOP28の世界各国の成果を踏まえて、2024年は日本の温室効果ガスの削減目標(NDC:Nationally Determined Contributions)を見直し、2035年までの政策も議論されます。世界と同様に日本でも、1.5度目標の達成に向けた気候変動問題において2024年は重要な意味をもつと言えるでしょう。 改めてCOPではどんなことが約束されて、目標に対してどれほど進捗しているのか、確かめる機会にしよう。