北國銀会長に多田氏、社長は米谷氏 杖村氏、FHD社長継続
北國銀行が19日までに、杖村修司代表取締役頭取(63)が退任し、代表取締役会長に多田隆保CCイノベーション会長(61)、代表取締役社長に米谷治彦常務執行役員法人部長(54)が就く来年3月1日付のトップ人事を固めたことが分かった。杖村氏は、北國銀の持ち株会社である北國フィナンシャルホールディングス(FHD、金沢市)の社長を引き続き務め、グループ全体の経営を担う。 ●「頭取」を「社長」に 来年2月に開催を予定する臨時株主総会を経て、3月1日開催予定の臨時取締役会で正式決定する見通し。銀行トップの交代は約5年ぶりとなる。「頭取」の呼称を「社長」に変更する。銀行もFHDのグループ会社の一つであるという意識を社員に定着させる狙いがあるとみられる。 杖村氏は2020年6月、安宅建樹氏の後任として頭取に就任した。21年10月に持ち株会社体制に移行し、グループの構築を進めた。デジタル技術を駆使した経営戦略を展開し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進した。 多田氏は人事や営業部門を歩み、現在は北國FHD傘下でコンサルティング業務を手掛けるCCイノベーション会長、同じくFHD傘下で事務受託業務のBPOマネジメント社長を務める。米谷氏は主に営業畑を歩んできており、多田氏と役割分担しながら銀行経営のかじを取る。 北國銀では、杖村氏の取締役退任に伴い、新たに三本松温賀(はるしげ)常務執行役員法人部長が取締役に就く見込み。 ★杖村 修司氏(つえむら・しゅうじ) 小松市出身。1985年、慶大商学部卒後、北國銀行入行。総合企画部長兼システム部長、常務、専務などを経て2020年6月に頭取、21年10月から北國FHD社長。石川県銀行協会長。 ★多田 隆保氏(ただ・たかやす) 小松市出身。1986年、富大経済学部卒後、北國銀行入行。人事課長、取締役コンサルティング部長、常務執行役員法人ソリューション部長兼コンサルティング部長などを経て今年3月から現職。 ★米谷 治彦氏(こめたに・はるひこ) 小松市出身。1993年、明治大経営学部卒後、北國銀行入行。営業統括部付上席推進役、本店営業部部長、執行役員東京支店長、同小松営業部長などを経て、昨年3月から現職。