ヤングケアラー「目に見えることだけではない 100人いれば100通り」その体験を演劇に 伝えたい“きょうだいの声”【岡山】
RSK山陽放送
家族の介護や世話を日常的に行う若者、「ヤングケアラー」...当事者の体験を基にした演劇が、今週末に岡山市で上演されます。自分が当事者であることに気付いていない人が多いというヤングケアラー。実情を演劇を通して伝えます。 【写真を見る】ヤングケアラー「目に見えることだけではない 100人いれば100通り」その体験を演劇に 伝えたい“きょうだいの声”【岡山】 (演劇より) 「兄はそれまで健常者で、私もそれまでは障害者がいない家庭の普通の子どもだった訳です。私自身は、その年齢もあったのかもしれませんが、障害者となってしまった兄をどうしても好きにはなれませんでした」 ある日、障害者と認定された兄。とまどいから、現実を受け入れられない妹の心境を描いた場面です。 この演劇のタイトルは「きょうだいの声」。家族の介護や世話を日常的に行う若者「ヤングケアラー」が題材です。 「きょうだい」として登場するのは、障害や病気がある人の兄や弟・姉・妹です。 (出演する藤原和也さん) 「障害者の方が弟さんにおられるっていうことに対して、真剣に想像力を働かせねばならないのはもちろんですし、難しいなって思っています」 ■中高生の17人に1人程度が家族の世話や介護を… こども家庭庁によりますと、2020年度の調査で、回答した中高生の17人に1人程度が「世話や介護をしている家族がいる」という現状があります。劇中には、耳の聞こえない妹と友達の会話に、兄が手話通訳として補助をする「きょうだい」の実情を描いた場面もあります。 (演劇より) 「きょうもかわいいね」「かわいいってよ」「そのTシャツどこで買ったかって」 (出演する與曽井美希さん) 「私が耳が聞こえない子の役で、セリフが全部手話なんですよ。なので、手話と表情だけで自分の気持ちを表現する。緊張する気持ちもあるんですけど、みなさんにきょうだいの方達の思いが伝わるように頑張っていきたいと思っています」 演劇は、当事者である「きょうだい」がそれぞれの体験を語る発表会という設定で演じられます。イベントの総合責任者の増田美佳さんは「ヤングケアラーのほとんどが、当事者であることに気づいていない」といいます。 あなたや、周りの人がヤングケアラーかもしれないこと、また、その実情を演劇を通して伝えたい…。 (岡山きょうだい会代表 増田美佳さん) 「10人いれば10通り、100人いれば100通りいろんなケースがあるということで、目に見えていることだけが全てではないということを、みなさんに感じていただいて、考えていただければと思います」
演劇「きょうだいの声」は、12月7日と8日に岡山国際交流センターで上演されます。
RSK山陽放送
【関連記事】
- 「他の男に裸を見せるのか」通院禁じ家の中を24時間監視 母親(36)は交際相手(41)の「異常な支配欲」で精神的におかしくなり娘(6)を虐待したのか【岡山女児虐待死・後編】
- “納豆を片手で食べられる道具”を開発し5つの金賞を獲得した女子高校生の願い「あきらめなくていい世界を」【岡山】
- 「夫に責任を感じさせたい」8歳の長男を車の中で殺害の母親 不妊治療の末に授かった我が子をなぜ
- 母・邦子さん 息子(稲葉浩志さん)に「盆の忙しい時にライブをするんじゃな」凱旋コンサート2日目「178(いなば)ナンバー」の車も集結【岡山・津山市】
- 鬼が笑うかもしれませんが…来年の節分は「2月2日」→何とこの先約30年は「4年に1度、2月2日」?!