コメの価格高騰がとどめに… 米穀卸売りの「鳥取県食」が自己破産へ 負債は6億5000万円超 県内トップシェアも環境変化で経営行き詰まり 鳥取県倉吉市
鳥取県倉吉市の米穀卸売り「鳥取県食」が11月30日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かりました。負債額は2023年9月末時点で6億5400万円に上り、さらに膨らんでいる可能性もあります。 信用調査会社の帝国データバンクによりますと、鳥取県食は1996年、解散した「鳥取県食糧事業協同組合」から営業権を引き継ぎ、設立されました。1997年には氷温倉庫を建設し、自社ブランドの「氷温米」などを販売。2004年3月期の売上高は34億2300万円で、鳥取県内でもトップクラスのシェアを誇っていました。 しかし、二等米の取扱比率が高く、近年は一等米と二等米の価格差が小さくなり、利益率が悪化。さらに県外から大手ディスカウント店の進出が相次ぐ中、得意先への販売量が減少していました。価格競争の激化もあり、2023年9月期の売上高は約7億円まで落ち込み、赤字計上。倉庫などの設備維持コストや在庫負担に伴う有利子負債が経営を圧迫する中、今夏に始まったコメの価格高騰が資金繰りの悪化に拍車をかけ、事業継続を断念したとみられます。 米穀の卸売事業は、島根県松江市に本社を置く2024年8月設立の「島根県食」に譲渡されていましたが、この会社も11月8日付で株主総会が解散を決議。清算手続きに入っています。
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