都知事選の政見放送を見て呆然…「NHKvs.NHK党」必死の攻防戦と、ここまで無秩序になった「歴史の必然」
小池や蓮舫は本当に神宮の問題がわかっているか
小池は現職の強みを生かして選挙に臨んでいるものの、一つ気になる発言があった。 それは6月19日に行われた有力候補4人の共同記者会見でのことである。4人とは小池と蓮舫のほか、元安芸高田市長の石丸伸二と元航空幕僚長の田母神俊雄のことをさす。 その場で、蓮舫が外苑の再開発は「いったん立ち止まる」と発言したのに対して、小池はすかさず、「争点にならない。私も立ち止まっているから」と答えた。たしかにそうなのだが、問題は、その次の「イチョウ並木が切られるとのイメージがあるが、そうではなく樹木の本数は増える。そもそも内苑は原生林で外苑は人工林というのを理解していただいてないのでは」という発言である。 衆知のように、明治神宮は明治天皇夫妻を祀るために創建された神社であり、創建は1920年である。それ以来、100年を経てはいるが、古代からそこに存在するわけではない。日本に数ある神社のなかでも、歴史は相当に新しい。 となると、明治神宮の森は、果たして原生林なのだろうか。『広辞苑』を引いてみると、原生林とは、「伐採などの手が一度も加えられていない、自然のままの森林」とある。今の明治神宮の森が形成されたのは、100年前に綿密な植林計画がなされたからで、自然にこのような森が形成されたわけではない。 小池は本当に明治神宮と外苑のことが分かっているのだろうか。蓮舫は、そこに突っ込んでもよかったはずなのだが、どうやらそのチャンスを逃してしまったようだ。 【続きを読む! 】実はヤクルト・スワローズのおかげで明治神宮はなんとか維持、だから非難されても外苑再開発に突き進む
島田 裕巳(宗教学者)