WEST.が見せるボーカル表現の真骨頂 meiyo、syudou、ハニワ……ネットシーンクリエイターの提供曲から紐解く
WEST.がリリースする近年の楽曲はワクワクするものが多い。というのも、あいみょん、SUPER BEAVER、キタニタツヤをはじめ、名だたるアーティストからの楽曲提供を受けていること、その楽曲の多くが魅力的であること、さらにそういう楽曲の中、WEST.は自身のパフォーマンスで、大いなる個性を発揮しているからだ。音源だけでなく、パフォーマンスでも惹かれる部分が強く、YouTube上では『SUMMER SONIC 2023』での「僕らの理由」のパフォーマンス映像が公開されているが、そこではボーカルの力強さと迫力を画面上でも体感することができる。そんなWEST. は、昨今、“ネットシーン”で話題を集めたクリエイターからの楽曲提供も増えており、印象深い作品をいくつも発表してきた。 【写真】大人な雰囲気のWEST.メンバー たとえば、最新曲として発表された「まぁいっか!」は、そんな代表の一曲だ。同曲はネットシーンで話題を集めた気鋭のクリエイターの一人であるmeiyoが手掛けている。meiyoは2021年7月にTikTokに投稿した「なにやってもうまくいかない」が注目を浴びたことで、一躍シーンに頭角を現したアーティスト。そんなmeiyoが手掛けた「まぁいっか!」は明るいホーンセクションや、カラフルな鍵盤のサウンドが印象的な華やかなポップチューンで、MVのテイストも含め、WEST.の“アイドル”的な一面にスポットが当たった点もポイントである。 meiyoは他にも、「POP&POP」という楽曲を提供している。こちらはクールで洒脱なアレンジが印象的で、Aメロではスタイリッシュなラップパート、サビではリズミカルでフックのあるリズムアプローチが展開されることで、中毒性強めなナンバーとなっている。ネットシーンでサバイブしてきたmeiyoらしい音楽センスと、WEST.が持つ柔軟性のある音楽的ポテンシャルが組み合わさった結果、楽曲のタイトル通り、それぞれのPOPが掛け合わさった楽曲だ。 Adoに提供した「うっせぇわ」で一気に名を馳せ、その後も「やっちゃったわ」「命綱」など、数々のヒットソングを発表し続けるsyudouも、WEST.に楽曲を提供している。提供した楽曲のタイトルは「努力賞」。syudouらしいスリリングなビートメイクが際立つ疾走感あるナンバーで、ロック色を匂わせる高速ビートがボカロソング的な風味も生み出している。歌いこなすことが難しいこの楽曲でもWEST.のボーカル力が炸裂しており、鮮やかでテンポの良いマイクリレーを展開しながら、楽曲の高揚感をドライブさせている。 また、「可愛くてごめん」で一世を風靡したクリエイターユニット・HoneyWorksは「プリンシパルの君へ」という楽曲をWEST.に提供。こちらはアイドルソングっぽさがある、爽やかで眩いポップチューンだ。ゆったりとしたテンポの中で抑揚をつけながら歌いこなすWEST.のボーカルが印象的。結果、楽曲に寄り添うように優しい表情でメロディを紡いで、楽曲世界を作り上げている。