中国・習近平国家主席が11年ぶりに来韓の見通し
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と中国の習近平・国家主席が互いに来韓と訪中を要請した。尹大統領と習主席は15日(現地時間)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されたペルーのリマで首脳会談を行い、上記の点で一致した。韓国大統領府が明らかにした。今回の韓中首脳会談は2022年11月にインドネシアで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議以来、2年ぶりの開催となった。 【グラフィック】時系列でみる韓中トップの相互訪問
韓国大統領府のある幹部は現地で記者団の取材に応じ「習主席が先に尹大統領を中国に招待し、尹大統領も習主席の来韓を提案した」「両首脳はいずれも『招待に感謝する』と答えた」と明らかにした。「来年秋に韓国は慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)のホスト国になるので、その際に自然な形で来韓してほしい」と尹大統領が習主席に要請したという。習主席が最後に来韓したのは朴槿恵(パク・クンヘ)政権当時の2014年7月で、その後習主席の来韓は実現していない。 今回の首脳会談を受け来年の慶州APEC首脳会議での習主席来韓はほぼ既成事実となったようだ。習主席の来韓が実現すれば11年ぶりとなる。ある韓国政府高官は「習主席の来韓後に尹大統領が中国を訪問することが順序として正しいと尹錫悦政権は認識しているが、習主席のAPEC訪問が正式に決まれば、その前に尹大統領の訪中が検討される可能性も考えられる」とコメントした。 尹大統領と習主席は韓中自由貿易協定(FTA)後の交渉に力を入れることでも一致した。中国における韓国人のビザ免除、空席状態の駐韓中国大使任命に続き、2年ぶりの首脳会談も実現すれば、韓中関係は改善に向け本格的に動き出すことになる。 尹大統領は今回のAPEC首脳会議をきっかけに韓米日首脳会議、韓米・韓日首脳会談にも出席した。これらの席で尹大統領は北朝鮮によるロシア派兵を批判し、米国と日本はこれに積極的に同意を示した。尹大統領はAPEC首脳会議の議長国を務めたペルーのディナ・ボルアルテ大統領とも首脳会談を行い、海軍潜水艦の共同開発や鉱物資源開発に向けた共同調査や技術交流を進める覚書を交わした。 リマ=梁昇植(ヤン・スンシク)記者