【60歳代の二人以上世帯「みんなの貯蓄は平均いくら?」厚生年金・国民年金の平均額も一覧でチェック
今年は新NISAのスタートから始まり、日銀が17年ぶりにマイナス金利政策を解除するなど、日本経済が大きく動いた年です。 ◆【円グラフと一覧表】60歳代の貯蓄円グラフ&厚生年金と国民年金の平均月額一覧表を見る 一方で、昨年からのインフレは今年も続き、物価上昇が強く意識される年でもありました。ニュース等で「生活が苦しい」という巷の声を聞くことも、もはや珍しいことではなくなりました。 インフレが正常な経済のサイクルであることを考えると、金利のある世界が戻り、物価上昇が適正な範囲で続くことは決して悪いことではありません。 しかしながら、長らくデフレ状態が続き、低賃金、低価格に慣れてしまった私たちにとって、物価の上昇は生活の苦しさに直結するイメージがあるのも事実です。 とくに年金の場合、実際の物価や賃金の伸び率から調整率が控除されるため、給付額の伸び率が低く抑えられる仕組みになっています(マクロ経済スライド)。そのため、年金受給世帯では、物価上昇が家計に与える影響をより強く感じやすいかもしれません。 そこで今回は、シニア世代のお金事情をチェックしてみましょう。とくに60歳代の貯蓄額や年金受給額などを確認しますので、さっそくみていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【60歳代・二人以上世帯】みんなの貯蓄は平均いくら?
生活費に対し年金額が十分でなければ、足りない部分は貯蓄から支払うことになります。まずは60歳代世帯の貯蓄事情をみていきましょう。 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」から、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額を確認します。 ●【60歳代・二人以上世帯】金融資産保有額の平均と中央値 ・平均:2026万円 ・中央値:700万円 ※金融資産保有額には預貯金以外の株式や投資信託、保険商品などの金融商品残高が含まれます。 ここでは中央値に注目してみましょう。中央値とは、集めたデータを順番に並べていき、とくに真ん中に位置するデータことを指します。 60歳代の金融資産保有額の中央値は700万円ですから、ちょうど真ん中に位置する人の値が700万円であり、半数の方の保有資産額が700万円以下、あるいは700万円以上ということになります。 数年前に「老後2000万円問題」が話題になりましたが、現在ではその額は3000万円、4000万円とも言われています。 リタイア後は、介護費用など老後特有の支出が生じる可能性もありますから、貯蓄額が700万円以下の場合は、早急に何らかの対策が必要かもしれません。 ●【60歳代・二人以上世帯】貯蓄額ごとの世帯割合 貯蓄額の平均値と中央値を確認したところで、次に貯蓄額ごとの割合をみていきましょう。 ・金融資産非保有:21.0% ・100万円未満:5.9% ・100~200万円未満:4.5% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:3.0% ・400~500万円未満:1.9% ・500~700万円未満:7.2% ・700~1000万円未満:6.7% ・1000~1500万円未満:6.8% ・1500~2000万円未満:5.4% ・2000~3000万円未満:9.5% ・3000万円以上:20.5% 60歳代・二人以上世帯のなかで、金融資産を保有していない世帯は21.0%、一方、2000万円以上の世帯は全体の30%、さらに3000万円以上保有している世帯は全体の20.5%を占めています。