【60歳代の二人以上世帯「みんなの貯蓄は平均いくら?」厚生年金・国民年金の平均額も一覧でチェック
【厚生年金・受給額一覧】60歳代の平均年金額
厚生労働省の資料より、毎月の生活費の柱となる厚生年金と国民年金の受給額を見ていきましょう。 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、60歳代の平均年金受給月額を確認します。 〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む 厚生年金は、現役時代の年金加入期間、給与や賞与などの報酬により、年金額が計算されます。そのため、個人によって受給額に差が生じます。 年金額が少ない方であれば1万円ほど、多い方であれば30万円以上受け取っている方もいるので、自分の詳しい年金額が知りたい方は、ねんきんネットやねんきん定期便などで確認してみましょう。
【国民年金・受給額一覧】60歳代の平均年金額
次に同資料より、60歳代の平均年金受給月額を確認します。 〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 国民年金(老齢基礎年金)をメインで受給するのは、第1号被保険者である自営業者や第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養者)です。 国民年金の保険料は一律なので、年金額の多寡は保険料の納付期間によって決まります。ただし、年金額がもともと大きくないので、厚生年金のような大きな差は生じません。 ちなみに令和6年度の年金額は満額で6万8000円となっています。
老後は思ったよりもお金がかかる!前もって準備を
今回は、60歳代のお金事情について、とくに貯蓄額や年金額を確認しました。 総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみ・無職世帯の家計収支は、可処分所得が21万3042円、消費支出が25万959円となっており、不足分は3万7916円となっています。実質的には赤字です。 この赤字分は貯蓄から取り崩すことになるので、ある程度の貯蓄はリタイア時点で保有しておく必要があります。 「年をとれば、生活費はそんなに必要ないのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、世帯主が75歳~79歳の二人以上世帯の消費支出は24万5107円、80歳~84歳の世帯では22万4648円、85歳以上の世帯では22万8685円となっています。 85歳以上の世帯であっても23万円ほどの支出が必要で、年齢を経るごとに大きく減少しているわけではありません。 ある程度の支出は前もって計算に入れておくことはもちろんですが、介護や家の修繕費など、大きな金額が必要な場合にも対応できるように、若いうちから準備を進めておくことが大切です。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省統計局「家計調査 家計収支編 3-2世帯主の年齢階級別」 ・総務省統計局「家計調査報告 [家計収支編] 2023年(令和5年) 平均結果の概要」
土屋 史恵