柔道団体決勝で批判集めた”疑惑のルーレット” 実際の選手の気持ちは?「やりたい気持ちはありました」
日々熱戦が伝えられたパリ五輪のアスリートたちは、続々と帰国。激闘の日々を振り返って、話題を呼んでいる。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 男子66キロ級で五輪連覇を果たした阿部一二三は8月12日に放送されたテレビ朝日系列特別番組「サンドのパリ五輪総集編メダリストが最速大集合!名場面㊙全舞台ウラSP」に出演。 大きく注目を集めた柔道混合団体決勝のシーン、3-3と同点で並び、ゴールデンスコア方式の代表戦へと突入するシーンを振り返った。 階級を決めるデジタルルーレットでは、「+90」が示され、絶対王者のテディ・リネールの出場が決定、開催国であるフランスの観衆は沸き立った。 結果としてリネールが斉藤立に大内刈りで一本勝ち、フランスが混合団体の金メダルを獲得した。 このデジタルルーレットの選定法に関しては、海外ファンからも批判が殺到。試合後に国際柔道連盟(IJF)の公式インスタグラムがアップしたフランス代表の写真に対して「本当の勝者は日本」などのコメントがつくなど、物議をかもすこととなった。 番組でこの階級を決めるルーレットが回っている時の心境を聞かれた阿部は「きついなと思いながら、でもここで僕が引いたらスターだなと思った」ときっぱり。さらに「でも、フランスのリネール選手がスターでしたね。半々だったんですけど、やりたい気持ちはありました」と自身の階級で挑みたい気持ちはあったと告白した。 阿部は、勝てば日本の金メダルが決まる第5戦に1階級上の73キロ級で臨み、同級銀メダルのジョアンバンジャマン・ガバと延長戦を含め約9分の死闘をくり広げた。 この試合では阿部が階級が上のガバに対して積極的に攻めながら、一方のガバは技がかけられず、終始逃げの姿勢となった。ガバに対し、指導が2つ与えられるも、阿部の勝利となる「3つ目の指導」が与えられなかったことも話題を呼んだ。 この試合に関して阿部は「ここ最近で一番きつかったか、東京(五輪)が終わってから一番きつかったと思います」としながら、「階級が上ということもあって、投げたと思っても決まってない。いつもの66キロの相手とやって決まったなって技で投げきれていない」と階級が上の選手と戦う難しさも赤裸々に明かした。 今回のパリ五輪柔道をめぐっては「不可解判定」「偽装攻撃」「指導3つ」など、柔道にまつわるキーワードが連日SNS上で取り上げられるなど、多くの人々の目を引いた。 日本は個人戦で男女あわせて3個の金メダル、出場国別では最も多かったが、東京五輪の9個からは大きく減少した。日本の国技である柔道が「JUDO」として、世界のアスリートが技を磨く中で今後いかに進化していくのか。今後も注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]