【阪神】来季は最強ハルト!高橋遥人650万円増「圧倒したい」今月左腕手術し出力アップ手応え
来季は最強ハルトで帰ってくる! 阪神高橋遥人投手(29)が26日、西宮市の球団事務所で契約交渉に臨み、650万円アップの2500万円でサインした。度重なる左肩や左肘の手術をへて3季ぶりに1軍復帰した今季は無傷の4戦4勝を飾る大車輪。今月初旬に「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を受けて開幕は微妙だが、おかげで可動域が広がり、出力アップに手応え十分だ。「圧倒したい」と入団以来最高の投球でV奪回に貢献する。 ◇ ◇ ◇ 高橋は澄んだ表情で今季を振り返った。「毎試合が勝負。今までにない緊張感だったなと思います」。左肘や左肩の手術を経て育成選手となっていたが、7月に支配下に復帰。8月の広島戦で1009日ぶりの1軍登板を果たすと、そこから4連勝した。後半戦の救世主となる快投で650万円アップの2500万円で更改。それでも表情を崩すことなく、心は来季に向いていた 今月初旬、左腕の手術を受けた。だが今回の手術はこれまでとは大きく意味合いが異なる。「進化」のためのメスだ。8センチにもおよぶ金属プレートを外したことで手首の可動域が大きく広がり、出力がアップ。ほぼ元通りの体に戻ることで、制球力も向上すると考えられている。リハビリも順調で心身の不安も解消。「(過去7年間で)良い時の自分を超えれるように」と手応えを感じている。一見後退に見える手術は、過去最強の高橋をつくりだすためのプロセスだった。 復帰の道のりがはっきり見えている。12月中にキャッチボールを再開し、来春キャンプでのブルペン入りを視野に入れる。「なるべく早い段階で1軍の戦力になれるように。投げられるようになった時に(先発の)競争に入っていけるように」。開幕は微妙な状況だが、経過次第では早期の1軍マウンドが見えてくる。 復活へのモチベーションは、大一番で喫した2つの負けだ。逆転優勝を目指し、1ゲーム差で対決した9月23日の巨人戦は7回1失点と好投したが、今季初黒星でV逸が決定的になった。10月13日のCSファーストステージDeNAとの2戦目は、5回4失点でチームは終戦。岡田監督は退任となり、悔しさだけが残った。「本当に大事な試合ではじき返された。やっぱりやり返したい気持ちはあります」。 味わった悔しさは必ず晴らす。「やっぱり圧倒したいですかね。どの試合でも寄せつけない投球をしたいです」。今季後半戦で見せた支配的な投球を超える自信がある。たくましくなって帰ってくる「シン遥人」が待ち遠しい。【山崎健太】 高橋の浮沈メモ ◆順調 プロ1年目の18年4月11日の広島戦でデビュー戦勝利。2年目の19年は18試合に先発。3年目の20年も左肩痛で出遅れながら自己最多5勝(4敗)。 ◆暗雲 20年夏から左手中指に違和感。21年は2月に右脇腹の筋挫傷で離脱。復帰は9月にずれ込んだが、快投を連発して7試合で4勝2敗、防御率1・65の好成績。CS巨人戦にも先発した。 ◆長いトンネル 21年11月に左肘のクリーニング手術。22年4月には左肘トミー・ジョン手術。23年6月に左尺骨短縮術、および左肩関節鏡視下クリーニング術を受ける。 ◆育成契約 23年11月に育成契約に変更。 ◆復帰 今年4月17日、ウエスタン・リーグのオリックス戦で893日ぶり実戦復帰。7月20日に支配下契約。8月11日の広島戦で1009日ぶりに1軍復帰し、5回無失点で1025日ぶりの白星。今季5試合で4勝1敗、防御率1・52で優勝争いに貢献した。