キャシー・ウッド氏、エヌビディア株売却後もアークはAIに投資
(ブルームバーグ): キャシー・ウッド氏は自身の資産運用会社アーク・インベストメント・マネジメントについて、エヌビディア株が昨年値上がりする前に保有を減らしていたが、人工知能(AI)関連投資で良い位置に付けていると語った。
ウッド氏は6日に香港で開催されたグリニッチ経済フォーラムでのビデオインタビューで、同氏のプライベートファンドは「新進気鋭の企業へのエクスポージャーを多く持っている」と語った。より専門的なポートフォリオと旗艦ファンドでは、まだエヌビディアを保有していると付け加えた。
破壊的技術への注目度の高い投資で知られるウッド氏は、エヌビディアが株式分割調整後で約4ドルで取引されていた2014年に購入したと語った。旗艦ファンドのアーク・イノベーションETFはエヌビディア株が約400ドルになるまで保有していたという。
昨年、株価が上昇する前にポジションの大半を売却した。AIブームの中心にあるエヌビディアは、1-3月(第1四半期)の売上高がアナリスト予想を上回り、4-6月(第2四半期)の見通しも予想を上回ったことから、株価は5月24日以降にさらに15%上昇した。同社の株価は2022年後半から8倍以上になり約1224ドル。時価総額は3兆ドル(約469兆円)に達し、アップルを抜いた。
ウッド氏は「エヌビディアがこのまま走り続けるとしたら、それに値する唯一の理由は、他の多くの企業に利益をもたらすことだ。そこで当社は、恩恵を受ける企業を探し始めた」と語った。「エヌビディア株を売ったのはある意味のステートメントだったと思う」と述べた。
同氏は半導体株の好調が終わったとは考えていないが、各社がAIへの戦略的アプローチを評価する中で一服感があるという。また、今回の決算シーズンでAIによる収益への追い風を期待していた企業の中には、それがかなわなかったところもあると同氏は付け加え、最も顕著な例としてセールスフォースを挙げた。