【国際女性デー】SHELLYさん「セックスは愛し合う二人がするもの?」性教育について発信する理由を聞いた
今から120年前の1904年3月8日。アメリカの女性たちが参政権を求めて行ったデモをきっかけに、女性の地位向上を呼びかける動きが世界中に広がりました。1975年には国連が「国際女性デー」を制定。女性たちによってもたらされた勇気と決断を称える日にあわせて、性教育について発信を続けるSHELLYさんに「体や性について知ること」の大切さについてお話を伺いました。 【写真】SHELLYさん 国際女性デーに向けてメッセージ
【正しい知識を持たずに生きるのは、茨の道を行くようなもの】 ──SHELLYさんは、よくご自身のYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」でも「性について正しい知識を持つことは、人権を守ることと同じ」「性教育は自分や相手を知るためのもの」とおっしゃっていますが、誰もが自分の体や性について知ることの大切さについて、改めて伺えたらと思います。 SHELLYさん: もしかしたら、この話だけで3時間ぐらいかかるかも(笑)。性教育って妊娠・出産や避妊の話だと思われがちですが、自分や相手の体について理解することもそのひとつです。そして、正しい知識を持たずに生きていくのは、本当に厳しい茨の道を行くようなもの。 例えば、どうしてプライベートパーツが大切なのかを考えることは、「性的同意」への理解にもつながります。年齢や性別を問わず、あなたの体はあなただけのもの。触れてほしくなかったら「触らないで」と言っていいし、その思いをリスペクトしてくれない人は誰であろうとダメなんです。 子どものときに性被害に遭われた方の中には、そもそも何が起きているのかわかっていなかったというケースが本当に多くて。それが性犯罪だとわからないのは、「セックスとは何か」「プライベートパーツとは何か」を教えられていないということでもあります。 ──性教育は自分の人権を守るものであり、相手の人権を尊重するためのもの。そう考えると、まさに知ることは自分の心や体を守ることですね。 SHELLYさん: だからこそ、体や心のことを理解して自分なりの価値観を見つけ出しておくことは、性的な触れ合い以前に人と関わる上ですごく大事。そして、これはちょっと厳しい言い方になるかもしれないけれど、これからを生きる子どもたちに対して「自分も教わらなかったから…」と性教育から目をそらしたり、性の話に蓋をしたりするのは、大人として無責任だし、加害者に加担してしまうのと同じじゃないかなと思います。今はインターネットで調べれば、すぐに色々な情報が手に入りますから。 【性的行為に必要なのは、お互いへのリスペクトと性的同意】 ──セックスだけでなく、キスやハグといった性的な行為に対して、お互いにその行為を積極的にしたいかどうかを確認する「性的同意」も、SHELLYさんが大切に発信されているテーマのひとつですよね。 SHELLYさん: 性的同意も、みんなに知ってほしいことのひとつです。私は「セックスは愛し合う二人がするもの」とは絶対に言わないように気をつけていて。なぜなら、性的な行為をするときにいちばん大事で必要なのは、お互いをリスペクトする気持ちと性的同意だから。 スポーツ感覚でセックスを楽しむ人もいるし、セックスワーカーの人もいるし、極端な話、そこに愛があってもなくてもいいんです。人数も二人とは限りませんよね。大切なのは、そこにいる全員が、性的な触れ合いに積極的に同意していることです。 ──日本では「嫌よ嫌よも好きのうち」なんていう言葉が都合よく使われてきましたが、近年は「Only Yes means Yes」(Yesだけが同意)というメッセージを見聞きする機会も増えてきました。 SHELLYさん: 今までに性的な触れ合いで「なんかイヤだな・モヤモヤするな」「ちょっと納得いかないかも」と感じたことがあるなら、それは性的同意が取られていなかったということ。日本では、レイプ被害を受けたのに「今のはレイプだったのかな…」と考えてしまう人が本当に多いそうなんです。 だから何としても「あなたが同意していない性的行為はレイプだよ」ということを日本中に浸透させなきゃ!という思いで活動しています。日本は法律も全然間に合っていないので。