折りたたみPCって微妙だな…。「Lenovo ThinkPad X1 Fold 16」レビュー
フレームは頑丈
いろいろ針小棒大に厳しいこと書いてきましたが、フレームはカーボンファイバー+マグネシウム合金で、とても丈夫にできています。1週間以上使って出張もしましたが、ヘタることもありませんでした。手から滑り落ちても壊れないと頭ではわかっていても、タブレットみたいにぞんざいに扱える製品ではありませんが。 重さは本体のみで2.78ポンド(1,261g)、キーボードとキックスタンドを含めると4.16ポンド(1,887g)です。ノートとしてはふつう。タブレットとして見ると重いかな。ちなみに15インチ弱のSamsung Galaxy Tab S9 Ultraは1.6ポンド(726g)、13インチのM3 MacBook Air 15 は2.7ポンド(1,225g)、Asus ROG Zephyrus 14はキーボ込みのX1 Foldより1ポンド(454g)近く軽め。要は、もっと軽いノートPCはいくらでも見つかります。 サイズ的にはコンパクトです。畳むと11×7インチ(28×18cm)しかありません。 厚さはキーボード込みでも1インチ(2.54cm)程度。これまで使ったPCのなかでも最小レベルです。
Lenovo ThinkPad X1 Foldの処理性能:物足りなく感じるのは前世代CPUのせいか
ただ弱いのは中身ですよね…。 軽量ノートの人気シリーズ「ThinkPad」が製品名に入ってるけど、 ThinkPad X1 Foldはどちらかと言うと、Microsoft Surface Laptop Studio 2みたいな2in1や YogaシリーズみたいなハイブリッドPCと同じカテゴリに入る製品。その括りで考えると、処理性能的にあまり期待できる要素がないんですね。RAMを32GBにして(増設不能)少し高いCPUを選んでも、ぶっ飛び性能とはいきそうもありません。。 一番安い2,500ドルの最小構成にいたっては、Intel Core i5-1230U。3,900ドル出せば第12世代Intel Core i7-1260Uが搭載されますが、一番高いCPUを選んでも米Gizmodoのベンチマークスコアはビリ集団でした。 GeekbenchとCinebenchのベンチではLenovo Slim 7i並みのスコアが出ましたが、同じLenovo製品なのにあちらは最小構成で1,000ドル(税込23万9800円)~。Foldの半額以下で買えますしね…。 Intel Core i7-13800H搭載の最新Microsoft Surfaceと比べるともはや差は歴然で、ますます見た目が新しいだけで中身は旧態然という印象です。 なんせ前世代CPUの省電バージョン。そもそも多くは望めないのです。 グラフィック性能はどうかと言えば、こちらもIntel Iris Xe graphicsなのであまり多くは期待していなかったんですが、それでも全体のGPU性能にはガックリしました。 Blenderのベンチマークでお願いしたのはBMWの画像のレンダリング。結果的には画像1枚のレンダリングにCPUオンリーで6分以上もかかってしまいました。GPUオンリーの設定ではもっと処理に時間がかかって、2枚の処理が終わる頃にはすっかりお茶が冷めてしまったんです。 普通に使うぶんには発熱はないんですが、高負荷のときには若干スロットリング(処理に制限がかかること)も感じました。普通のタスクで37.8℃前後ですが、高負荷時は背面を外から測った温度が57℃くらいまで上がることも。ヒンジを伝わって熱がもう片方のパネルに分散されるとLenovoは言っていますが、片側のパネルに熱が集中しているように見えました。 せっかくこんなに美しい大画面なのに、Foldはグラフィック系の作業には向いてないかもです。特に、ThinkBook X1 Foldを買うお金があったら、もっと処理性能に優れたM3 ProやM3 Max搭載のMacBook Proなどが買えちゃいますし、使うとしても文字ベースの作業や簡単なフォトショップ仕事のようなものになるのではないでしょうか。