折りたたみPCって微妙だな…。「Lenovo ThinkPad X1 Fold 16」レビュー
Lenovo ThinkPad X1 Foldの操作感とデザイン:キーボードとタッチパッドは使いづらい
そんなX1 Foldではありますが、スタンドのマグネットは頑丈だし、Precision Penも頑丈。バッグの中であちこちぶつかっても平気です。 折りたたみの画面で気になるのは、そう、折りジワですよね。去年気に入った折りたたみ端末のOnePlus Openですはシワが最小限に抑えられていました。その点、ThinkPad X1 Foldはいわゆる従来の定義の「折りジワ」はありません。そもそもベゼルが目立たないので照り返しが集中の妨げにならないってのもあるとは思いますが。スマートペンで画面をなぞらえても引っかかりなく使えます。 画面は完全に180度開き切らなくて、どちらかと言うと177度止まり(タブレットとして持つとよくわかる)ですが、シワにならない折りたたみPCが実現可能なことをLenovoも証明したかたちです。 ただ、横に構えると、1440pのカメラが左にきちゃって、Zoomのときとか変な感じになります。縦のポートレートモードにすればカメラは上にきますが、するとボリュームボタンが隠れるし…。どっち向きにしても、なんかのボタンやポートが隠れてしまうのです。 もっと困るのがキーボード。Bluetooth接続なので手持ちのキーボードやスタンドをつなぐこともできますが、いちおう製品の規格に合わせてデザインされたものが用意されています。これ、Lenovoは「フルサイズのキーボード」と呼んでいますが、すごく狭くて、手を傾けないとパームレストに収めるのもひと苦労なほど。とてもじゃないけどガシガシ打てる気がしません。いくらThinkPad大好き人間でも、飛びつくキーボードではないように感じます。 充電はメインの画面から…なので、本体とキーボードの両方がバッテリー切れになるとたいへん。別々のケーブルで充電しなきゃいけないんですね。一定時間使わないとキーボードはスリープモードに入るので、どっか押さないと再起動しませんしね。 ライバルはどうかと言うと、たとえばHP Spectreは本体接続時に電磁コイルで充電されるし、見た目がヘンタイなAsus Zenbook Duoだって2画面の間にキーボードは吸着されるようにして携帯性を高めています。それに比べると、ややデザインに無理がある気がします。 タッチパッドは10×5cmくらい。すごく狭いので、なかったことにしてタッチと赤ポチ(トラックポイント)で間に合わせる人もいそうです。ほかの最新の折りたたみPCみたいに折り目を縦にしてキーボード上に展開したりもできません。また、何もかも磁石でカチャッと嵌める式なので、移動中はメイン画面の裏にキーボードをくっつけて持ち運ぶかたちになります。 ヒンジは、去年出た数多くの折りたたみスマホのなかでもヒンジのデザインが最悪だったGoogleの初代Pixel Foldを彷彿とさせるデザイン。旧型よりよくなってはいますが、折りたたみの画面を保護するためにはデザインの面で多少の妥協は必要ということなんでしょうか。