上司から毎日「タバコ休憩」に誘われ断れません…正直そのせいで「残業」になってしまうのですが、どう断れば良いでしょうか?
上司からの誘いは断りにくいと感じる人は多いでしょう。中には、理不尽に感じたり迷惑に思ったりすることもあります。仕事に影響を及ぼすほど頻繁に誘われると、悩みの原因になる人もいるでしょう。 今回は、タバコ休憩に誘う上司に対して「そもそも、タバコ休憩は勤務時間に当たるのか」「無難な断り方」などを解説していきます。
1日の喫煙時間はどれくらいになるのか?
産業技術総合研究所は、厚生労働省が実施した「平成16年国民健康・栄養調査」をもとに、習慣的な喫煙者の1日あたりのタバコの平均喫煙本数をまとめています。それによれば、全体の平均は19.8本、男性の平均は21.5本、女性は14.6本です。今回のケースは上司の性別について触れていないため、全体の平均をもとに1日20本と考えていきます。 睡眠時間(8時間と仮定)を除いた16時間で20本吸うとなると「960分÷20本」で、48分置きに1本の割合でタバコを吸う計算になります。休憩時間を除いて1日の勤務時間を7時間とした場合「420分÷48分」で、会社にいる間に取るタバコ休憩は約8回です。次に、1回あたりのタバコ休憩に関するデータを見ていきましょう。 BATジャパンは、東京23区に勤務する人を対象に2023年6月30日~7月4日にかけてインターネット調査を実施しました。この調査によると、1回あたりの喫煙時間でもっとも多かった回答は8~10分、平均は9分48秒です。10分と考えると、会社でタバコ休憩にあてる時間は1日80分ほどになります。8分の場合でも64分です。 これはデータをもとに平均で計算したものですから、本数によってはもっと少ない人もいます。それでも、本来の休憩時間に相当する時間がタバコ休憩に使われていると考えていいでしょう。
タバコ休憩は勤務時間? それとも完全な休憩?
労働基準法では、休憩時間は「労働から離れることが保障されている」ことと、厚生労働省の公式サイトに明記されています。そのため、待機時間など指示を待っているような場合は休憩時間には該当しません。何かあれば直ちに仕事を始めなければならない状態は、勤務時間にあたると考えるのが一般的です。 タバコを吸っている間は労働から離れてはいますが、トイレ休憩と同じで済み次第仕事に戻る必要があります。ただし、タバコの場合はトイレのような生理現象とは違います。タバコを吸わない人もいますから、不公平に感じる人もいるでしょう。実際には会社の判断になりますが、1日あたりのタバコ休憩があまりに多いと問題になる可能性は出てきます。