晴海フラッグ「謎のキーボックス」 騒動から2か月 撤去進むも“正体不明”の不可思議…中央区の対応は
東京オリンピックの選手村だった晴海フラッグ周辺で、6月頃、ガードレールや電柱などに無許可で設置されたキーボックスが数多く点在していると話題となった。 【写真】実際に設置されていたキーボックス 誰がどのような目的で設置したものか分からないことから、近隣住民からは不安の声が続出。地元・中央区議会でも取り上げられたという。 あれから約2か月。キーボックスの“その後”を探るべく、現地へ向かった。
「晴海フラッグ」からは姿を消していたが…
キーボックスの設置場所については、中央区議の高橋元気氏が「使途不明キーボックス報告MAP」を作成・公開し、住民らに情報提供を求めている。 事前にこのマップで晴海フラッグ(環二通りより海側のエリア)に刺さっているピンを見ると、そのすべてが【撤去済】と記載されている。実際に足を運んでみると、たしかにいずれの場所にもキーボックスは設置されていなかった。 マップ上は晴海フラッグに限らず、環二通りを挟んで反対側に広がるエリアにもキーボックスの存在を示すピンが点在している。そこで、このエリアも回ってみると、すでに撤去されていた場所もあったものの、複数のキーボックスが電柱やフェンスに取り付けられているのを発見した。 さらに運河を渡って隣の勝どきへ移動すると、ここでもいくつかのキーボックスが電柱などに取り付けられているのが確認された。 ある程度の撤去は進みつつ、いたちごっこ的に再び設置されている可能性も視野に、この日はマップに表示された場所だけでなく、移動中に通りがかったガードレールや電柱も注意深く見るようにしていた。しかしマップに示されていた数以上のキーボックスは見つからず、報道で耳目を集めたことが、とりあえずは“問題解決”の後押しになったのかもしれないと現場を後にした。
キーボックスの“正体”
“謎のキーボックス”には多くの住民が不安の声をあげたというが、自治体である中央区はどのような対応をとっているのだろうか。 まず、この問題については今年5月下旬頃、区議会議員からの問い合わせを受けて認識したという。その後、報道などによって世に広く知られることとなった。 区としては、誰が何のために設置したのか、何個くらい設置されているのかなど、キーボックスの詳細について調査を行っていないという。一部では、背景に「違法民泊業者」がいる可能性も指摘されているが、区の担当者は「あくまで推測である」とした上で「住宅販売の仲介業者やリフォーム会社が設置しているのではないか」との見解を示した。 “真相”は不明だが、不動産業者の業界団体である「全日本不動産協会東京都本部」も、7月上旬に公式サイトで「電柱等の管理者の許可無くキーボックスを設置することは、軽犯罪法等に違反する行為にあたる可能性がありますので、慎んでいただきますようお願い申し上げます」との注意喚起をしている。