「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
<独学を習慣化できるのは、大人の〈勉強〉が他者から強制されるものではないからだ。勉強を怠けないための心構えとは?>
朝日新聞の名物記者として知られる近藤康太郎氏のもとには、〈仕事〉や〈勉強〉の方法を学ぼうと若い記者が集まる。自身も仕事のかたわら、最低2時間の読書、数学、外国語を毎日必ず欠かすことなく続けているが、なぜ可能なのか? ●「4000回の腕立て伏せを毎日、1年間続けた男」の腕立て伏せを見る 〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉の三要素を磨く理由と、三要素がご機嫌な人生に結びついていくプロセス書いた『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』(CCCメディアハウス)より、大人の勉強のおもしろさについて取り上げる。 ◇ ◇ ◇ <〈勉強〉の意味を求めないことに価値がある> 〈勉強〉というのはパラノイアな百姓になるってことです。耕す。もっと深く、もっと広く。自分をカルティベート(耕作)する。自分という畑を、みのり豊かな土壌にしていく。 だからこその、リストです。リストを探してきて、未読を既読に変えていく。蛍光ペンで消して、つぶしていく。制覇する。[※編集部注:現代人にとって勉強とはコミュニケーション能力を伸ばすことで、読書が究極の勉強ということになる。しかも「必読書リスト」にしたがって読むのが効果的だという] わたしはリスト読書を高校のころに始め、かれこれ四十年以上続けています。まだ続けている。自分で思いますけれど、病気ですよ。でも、〈勉強〉ならばいいんです。病気になるほどやれってことです。〈勉強〉では、パラノイアになれ。 そして、リストの本分は、強制的に学ばされるということです。当の〈勉強〉をしている最中は、この〈勉強〉がなんの役に立つのか、分からないんです。分かっちゃいけないんです。分かっていたら、それは自分のすでに知っていることを焼き直しで繰り返しているに過ぎない。 〈勉強〉の本質は、だから、している最中は「なんだこりゃあ?」でなければいけない。子供のころを思い出せば分かるはずで、かけ算の九九を暗記させられたときに、「これがなんの役に立つのか」と考えましたか? もっと昔、幼児が親から言葉を口移しされるとき、「日本語はグローバルじゃないから英語がいい」なんて選べましたか? 大人は、世界は、そういうリクエストを受け付けないんです。〈勉強〉の本質は、強制です。