豊洲移転まで1年 「築地ブランド」は守れるか?
場外は残って「築地魚河岸」オープンへ
築地周辺には3つの商店街と2つの町内会があります。中央区はそれらの組織と連携して、場外市場の新たな核となる商業施設「築地魚河岸」を豊洲移転前にオープンさせる予定です。築地魚河岸は一般客でも利用でき、これまでと変わらずに築地ならではのプロの味や技を提供するとしています。 卸売市場が移転した跡地がどのように整備されるのかも気になるところですが、東京都は跡地の整備計画は未定としています。中央区としては要望を出していないのでしょうか。 「区長はスポーツ施設やテーマパークといったアミューズメント施設を希望しているようです。ただ、卸売市場は都有地なので中央区が直接的に関係することはできません。それでも中央区は築地のにぎわいを失わないように都と話し合いをしていきます」(同) 卸売市場の跡地について、IR法案の成立を見据えて外資系企業が同地にカジノを建設するといった報道も見られます。再開発で新しい街がつくられると、どうしても過去の歴史は忘れられていきます。それは、街の新陳代謝でもあるので仕方がない面もあるでしょう。しかし、2013(平成25)年には和食が無形文化遺産に指定されるなど、日本の食文化への関心は高まっています。それだけに、これからも築地の歴史と食文化を今後とも受け継がれることを期待したいものです。 (小川裕夫=フリーランスライター)