最高年商200億円「池袋の不動産王」が《5億円》で描く「人生最後の夢」…「日本一危険な場所」で始めた「前代未聞のこと」
突如現れた「謎の珍スポット」
東京都豊島区と板橋区の区境にある熊野町交差点。夜の8時、信号待ちの大型トラックのドライバーは、突如現れた謎の空間を目撃した瞬間、「何だこれ?」と言わんばかりに、思わず身を乗り出した。 【写真】「日本一事故の多い交差点」に突如現れた《謎空間》とそれを創出した加藤さん 視線の先にあるのは、怪しくも煌びやかな空間。黄金に輝く釈迦如来像と賽銭箱が中央に鎮座し、その隣には「薩英戦争時使用」と書かれたアームストロング砲が置かれている。 さらにマツダの小型三輪トラックやスバル360、実際に使用されていたバス停、年代物の餅つき機といった逸品珍品が所狭しと置かれており、展示品を囲む壁一面にはグリコやキンチョーなどのホーロー看板が電飾とともにズラリと並ぶ。 山手通りと川越街道が交差する熊野町交差点といえば、「日本一交通事故が多い場所」として有名だった。しかし今、「謎の珍スポット」とSNSを中心に注目を集めている。近隣住民が言う。 「それまで何の変哲もない駐車場でしたが、昨年11月頃に突然昭和レトロな看板が設置されました。それ以降、看板は増え続け、今年5月頃から骨董品や人気キャラクターの巨大フィギュアも置かれるようになった。 日に日に展示アイテムが増えています。夜になるとライトアップされ、深夜までケータイ片手の見物客が絶えない。いまや観光名所のようになっています」 いったい誰が何の目的でつくったのか。11月上旬の午前、現地を訪れると、清掃している男性がいた。謎の空間をつくり上げた加藤正衛さん(84)だ。
池袋の不動産王
加藤さんの本業は不動産業。最盛期には池袋を中心に22軒ものビルを所有し、「池袋の不動産王」の異名を取っていた。交差点の空き地も加藤さんが所有している土地のひとつで、その価値は2億5000万円という。 「もともと駐車場として貸し出していて、それを取り囲む壁に所有するホーロー看板の一部を展示したことが始まりです。看板が増えると、脚立を持ってきて写真撮影する方も現れ、駐車している車を傷つけてしまう可能性が出てきた。 駐車場は月に35万円ほどの家賃が入ってきましたが、契約者に迷惑をかけるわけにはいかない。そこで今年の5月に駐車場を閉鎖し、コレクションを並べるようになったのです」 加藤さんは骨董品収集家としての顔も持ち、かつて池袋で江戸時代の駕籠や鎧などを展示した「歴史発見館」なる手づくりの博物館を運営していたこともある。 「子どもの頃から古銭や切手が好きで、昭和40年頃から本格的に骨董品を集めだした。コツコツ集めた自慢の逸品を一般の方にも見ていただこうと思い、所有するビルを改装して博物館もつくったこともありました。 いまも骨董にとりつかれています。普段自転車で移動していますが、珍しい看板を見つけると飛び込みで『売っていただけないか』と交渉しています。先日も熊野町という地名が入った古い看板を見つけ、設置者である医院と交渉しましたが、『売り物ではない』と一蹴されてしまいました。 逆に、ある企業の社長が『うちの看板が残っていたとは。どうしても看板を会社に飾りたい。譲ってほしい』と訪ねてきたこともあります」
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