「わが国の歴史を不当におとしめる『歴史戦』、安全保障に直結」と杉田水脈氏が講演 大阪「正論」懇話会
大阪「正論」懇話会の第72回講演会が2日、大阪市北区のホテル阪急インターナショナルで開かれ、元衆院議員の杉田水脈(みお)氏が「日本を取り巻く現況と今後の課題」と題し講演。10月の衆院選で憲法改正に前向きな自民党や公明党などの勢力が発議に必要な3分の2(310議席)を失ったことについて「日本で一番大切な憲法改正が遠のいた」と危機感を募らせた。 杉田氏は、ロシア・中国・北朝鮮の三方面への防衛を迫られる日本の現状について触れ、衆院選を「国外に目を向けることなく政治とカネの問題という国内のことだけにきゅうきゅうとした選挙になってしまった」と振り返った。 さらに、世界に目を向けるとロシアによる2014年のクリミア半島侵略をはじめ、サイバー攻撃や情報戦などの非軍事的手段を組み合わせた「ハイブリッド戦」が繰り広げられていると指摘。2018年にロシアのプーチン大統領がアイヌを「ロシアの先住民族」に認定する考えを示したことにも触れ、「ロシアの侵略先の候補にはウクライナだけでなく日本も含まれていた」と語った。 その上で、杉田氏は「わが国の歴史を不当におとしめる『歴史戦』も心理工作の1つであり、歴史戦との戦いも安全保障に直結するものだ」と強調した。