オザー氏のヘッジファンド、プラス23%-マイナス2桁から見事な復活
(ブルームバーグ): 天然ガス取引スペシャリストで、変動の激しい同市場に対する大胆な賭けで知られるロン・オザー氏が見事な復活を実現した。同氏率いるヘッジファンドは今年のある時点で記録した2桁のマイナスから脱却し、成績を伸ばした。
事情に詳しい複数の関係者によると、マイアミを本拠とするステーター・キャピタルの運用成績は年初から12月中旬までの期間に約23%のプラス。6月までの3カ月は約13%のマイナスに落ち込んだが、7月時点で年初来リターンをマイナス2%にした。
ここ数年、ヘッジファンドはコモディティー(商品)に押し寄せてきた。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー危機が起きてから、エネルギー市場の変動性が高まったためだ。だがここ数年に実現した大きなもうけは縮小傾向にある。トラフィグラ・グループやガンバー・グループなど大手取引会社の利益も最近、正常化しつつある。
匿名で語った関係者によると、主に米天然ガス取引や欧州のガス、石油に関連する賭けが運用成績に寄与した。ステーターの広報担当者はコメントを控えた。
エネルギー価格は22年に付けた記録的水準から下落しているが、ウクライナや中東での戦争、供給混乱、異常気象など地政学的な要因で市場が不安定になりやすいことに変わりはない。特に欧州市場は変動性が大きい。この地域が国際市場への依存度を高めているため、遠く離れた場所で起こる出来事が急激な価格変動を引き起こすことがあり得る。
原題:Ozer’s Hedge Fund Soars 23% in Rebound From Double-Digit Losses(抜粋)
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Nishant Kumar, Priscila Azevedo Rocha