静岡学園は選手権でリベンジへ。復帰間近の注目右SB野田裕人主将は経験伝え、プレーで仲間に恩返しする
選手権で1年前、そして半年前の悔しさを晴らす。インターハイ8強の静岡学園高(静岡)は、選手権初戦で広島国際学院高(広島)と対戦することが決定。DF野田裕人主将(3年)は前回大会2回戦で敗れた相手との再戦について、「個人的には凄くリベンジしたい相手だったんで。冗談で『広島国際さんとやりたいな』って言ってたらほんとになっちゃったんで、より身が引き締まったと感じました」と感想を語った。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 静岡学園は前回大会初戦で明徳義塾高(高知)に6-0で快勝。野田も圧倒的な攻撃力を発揮するなど勝利に大きく貢献した。だが、続く2回戦の広島国際学院戦は1-1のPK戦の末に敗戦。昨年度の静岡学園は夏冬の全国大会3回戦でいずれも青森山田高と対戦する可能性があったが、夏冬ともにその前で敗れて実現させることができなかった。特に選手権は、広島国際学院に快勝した青森山田が日本一まで駆け上がっている。 今回も、互いに勝ち上がれば3回戦で青森山田と対戦する可能性のある組み合わせ。意識しないことは難しい。それでも、野田は「去年もインハイの全国(1回戦)で明秀日立さんに負けてるんで、ほんとに一戦必勝でやろうっていうのはあったんですけど、どっかでやっぱり3回戦、山田を見てたのかもしれないですし、一瞬の気の緩みで負けてしまったので、そういうのも自分は経験してるんで、チームに還元できることをしたい」と引き締めていた。 その上で青森山田や尚志高(福島)、東福岡高(福岡)などを含めて強豪揃いのAブロックに入ったことを歓迎する。「強豪校だったり、プレミアリーグを戦ってるチームが多いんで、凄い厳しい試合になると思うんですけど、やっぱその中で勝ち抜いていかないと優勝は見えてこないと思うんで。相手がどこだろうと、自分たちのサッカーをするだけかなって思っています」。一つ一つ勝ち抜いてもう1チーム、リベンジしたい相手との再戦を目指す。 静岡学園は6月にホームで開催されたプレミアリーグWEST・大津高(熊本)戦で1-8の大敗。「全員が気づけたというか。大津高校さんの基準でやんないと自分たちは日本一取れないっていうのが、全員が感じれたと思うんで、そこは大きかったです」(野田)。この敗戦をきっかけにトレーニングから意識変化。守備も攻撃も間違いなくレベルアップしている。11月24日にプレミアリーグWESTのアウェー・大津戦を控えているが、選手たちの思いは選手権決勝で逆ブロックの大津にリベンジすること。野田は「ここを勝ち抜いてこそ、やっぱり自分たちの今まで積み上げてきたものが証明できると思うんで、凄く楽しみです」と頷いた。 野田は8月に負った甲の怪我のため、後期のプレミアリーグWEST、選手権予選とピッチに立つことができていない。また、年明けからの股関節の怪我のためにインターハイ予選もチームメイトに全国大会へ連れて行ってもらっている。「申し訳ないです。もうほんと何もしてないですけど」と苦笑するが、選手権では自分がチームに恩返しする意気込みだ。 今年は不運な負傷などによって離脱している期間の方が長いものの、野田は正確なボールタッチとスピードを兼備し、組み立て、アシスト、ゴールを決める部分でも力を発揮する逸材右サイドバックだ。「みんなに色々してもらった分、今度は自分がしっかり返さないといけないなっていう気持ちはあるので、頑張っていきたいと思います」。すでにゲームトレーニングにも合流。野田不在の期間に急成長を遂げた選手も多く、先発の座を取り戻すためにはアピールが必要だ。それでも、注目DFはトレーニングから違いを示して信頼を勝ち取り、選手権では静岡学園の攻撃サッカーをより彩りながら一戦一戦勝ち上がる。