笑いを誘う金田哲・秋山竜次との演技は「トリオ感覚」 公任役町田啓太が語る「光る君へ」
平安時代に長編小説「源氏物語」を執筆した紫式部の人生を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」。文化人として名を残した貴族、藤原公任を演じたのが町田啓太だ。将来を期待されたエリートだが挫折。側近として、道長(柄本佑)の政治を支えてきた。眉目秀麗だけれど、女性に厳しく、でもどこか憎めないキャラクターを絶妙なバランス感覚で演じた。公任役に込めた思いを聞いた。 【場面カット】秋山、金田との“トリオ”シーン「思い出したら変な汗かいてきた」 ■序盤はエリート 公任は漢詩や和歌など文化面で優れた才能を持つ人物だ。烏帽子に直衣姿がりりしく、SNSでは「平安絵巻から抜け出てきたよう」と評された。公任役のために髪を伸ばし、半かつらで挑んだが、「こんなに髪を伸ばしたこともなかった。寝ているときに髪が暑くて起きるよね、とか髪問題についてキャストのみなさんでいろいろと話していましたね」。 物語も後半に入ると、出演者の髪型の変化で撮影の終わりを感じていたという。「みなさん風貌が変わっていく。髪を見て終わりを感じるのはこの時代ならではかな」と語る。 公任は、道長、斉信(金田哲)、行成(渡辺大知)と幼いころから行動を共にしてきた。父・頼忠が関白だったため、若いころは強烈な出世欲があった。まひろを「地味でつまらぬ女」と表現するなど、残念な発言も目立ったが、どこか憎めない。「序盤はエリート街道まっしぐら。本当に自分が一番だと思っているので、そこにちょっと面白みが出ればいいなと思って演じていました」と振り返る。 だが、頼忠が職を辞したことを機に後ろ盾をなくしてしまう。出世の道が閉ざされ、文化人として生きる道を選ぶことに。「芸事の世界で秀でた才能があった人。政治と関係ないところで戦えるものがあるとわかっていたから、シフトしたんじゃないかな」 一方で、31回では、斉信に官位を抜かれ、内裏に出仕しなくなった。出世をあきらめきれない一面を見せたが、「(官位は)生きるために必要。家族がどうなっていくかは大事ですし、公任には子供もいた。自分は父親が職を辞したことで苦労したから、レールが残されるようにしてあげたかったんだと思う」。 ■「F4」のシーンは同窓会感覚