典型的「中華料理全部弁当」で、満腹 中華料理の一品・一皿の量が多い弱点も克服、感じた〝地元の人に長く愛されてきた味〟 久住昌之・するりベント酒
だがやっぱり全体に油が多い。なんでも温めて食べる中華料理だから仕方ないが。
そこで唐揚げにレモンを搾りかけてみる。
……ほーら。思った通りだ。爽やかになるじゃないか。漬物をちょっと食べてみる。細かく刻んだザーサイ的なもので、悪くない。というか高菜的な感じもあるので、めしに合う。
いやー、この弁当かなりだ。なんという弁当屋のものか聞くと、地元の人なら誰でも知っている老舗の大きな中華料理店「一品香(イイピンシャン)」の弁当だった。
うーん、そうかさすが。そういう感じがする。そういう感じって、つまり地元の人に長く愛されてきた中華料理店のような安定感のある味というか。
ひと通り食べて、エビチリに戻ると、これが確かにほか弁なんかのそれとは別世界の(比べるのも双方に悪いけど)料理だ。
ミネラルウォーターで食べても十分にうまい。お腹いっぱいになって、講演に向かった。いつか店にも行ってみたい。行くなら5~6人で。
(マンガ家、ミュージシャン、久住昌之)