フィギュア女子の宮原、坂本は平昌五輪の表彰台に上がれるのか?
平昌五輪の開幕が、約1か月後に迫った。緊迫した年末の五輪最終選考会、全日本選手権を優勝、2位でフィニッシュ、2枠しかなかった五輪切符を手にしたのは宮原知子(19、関西大)と坂本花織(17、シスメックス)の初出場コンビだった。 日本女子のフィギュアでの五輪メダルは過去に3人。1992年のアルベールビル五輪で伊藤みどりが銀メダル、2006年のトリノ五輪で荒川静香が金メダル、2010年のバンクーバー五輪で浅田真央が銀メダルを獲得した。2014年のソチ五輪は浅田がSPで出遅れ、FSで感動的な演技を見せたが6位に終わりメダルを逃した。出場は3選手で鈴木明子が8位、村上佳菜子が12位だった。宮原、坂本の2人は2大会ぶりのメダルを狙うことになるが、表彰台に上がれる可能性はあるのだろうか。 元全日本2位で現在、福岡で後進の指導をしている中庭健介氏は、「2人とも可能性はあります」という明るい見通しを持っている。 「宮原さんは、怪我から実質3か月で世界トップのレベルに仕上げました。かなりのハイペースだったにもかかわらず大会ごとに課題を克服しながら最後の全日本で優勝して不安要素を打ち消しました。これだけの試練を乗り越えてきたわけですから、本来ならば緊張するはずの五輪で気持ちの上では、逆に余裕を持ったノビノビとした演技が期待できるでしょう。宮原さんの強みは、プログラムコンポーネンツ(演技構成点)で安定した高得点を獲得できる部分です。その洗練されたパフォーマンスに対する評価は世界のトップクラスです。女子の場合、実力が拮抗していますから、ジャンプひとつのミスが勝敗を分けます。それだけにミスに左右されることのないプログラムコンポーネンツの評価の順番でメダルの可能性があると考えてもいいでしょう。ロシアのメドベージェワや、イタリアのコストナーも、もちろん、宮原さんにも十分に表彰台のチャンスはあると思います」 全日本で宮原がSP、フリーで記録したプログラムコンポーネンツの得点はSPで35.83、FSで74.41の合計110.24だった。