なぜ日本のジョセフHCはスコットランド戦を前に怒りをぶちまけたのか?
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で初の決勝トーナメント進出を目指す日本代表は13日、神奈川・横浜国際総合競技場で予選プールAの最終戦をスコットランド代表と戦う。相手は欧州6強の一角。12日に開催予定だった2試合が台風19号の影響で大会史上初の中止となるなか、両軍陣営は試合実施を強く求めている。 「スケジュールを柔軟に、スポーツの高潔性を守ってほしいと言っています。ワールドラグビーの返答は『横浜開催以外は考えていない』ですが…」 こう語るのは、スコットランド協会のマーク・ドッドソンCEO。水面下で統括団体のワールドラグビーに接触し、もし台風の影響を受け横浜で試合ができない場合は、「中止、引き分け」にするのではなく、延期にして「別会場で試合をすべきだ」と訴えている。 なぜならスコットランドにとって日本戦は、その生死を決める重要な一戦だからに他ならない。プールAでは3戦全勝の日本代表が勝ち点14で首位。2勝1敗のスコットランド代表は現在勝ち点10。アイルランド代表は12日に決行されるサモア代表戦次第で、最大16まで勝ち点を伸ばすことができる。 もし13日の試合が中止となれば、引き分け扱いとなって両国が勝ち点2ずつを得て終わるためスコットランド代表の予選通過は難しくなる。ドッドソン氏が「W杯が守られることを期待しています」とくぎを刺すのは、当然である。しかも、日本代表との過去の対戦成績は10勝1敗。W杯でも3戦負けなしである。 スコットランド代表は前の試合から中3日で今度のゲームに臨むが、グレガー・タウンゼントヘッドコーチは「(過密日程は)前々からわかっていたこと」と、日程上の不利は受け入れている。中7日で準備する日本代表への敬意からか、9日のロシア代表戦では9月30日のサモア代表戦から先発を14名も入れ替え。その一戦でもキック、パスを左右に配するお家芸で61-0と快勝した。だが、この日発表されたメンバーでは、日本代表戦に向けてスターターを12名も変更。スクラムハーフのグレイグ・レイドロー、スタンドオフのフィン・ラッセル、フルバックのスチュアート・ホッグといった主軸は、中12日と十分な休養と調整をして日本代表戦に臨む。 タウンゼントヘッドコーチはこうも続ける。 「次の試合では、もっとも素晴らしいプレーのできる、力を蓄えているメンバーを出したいと思いました」