[井上あずみさん]脳出血で本番直前に倒れる ろれつ回らず頭痛も…発症から1年あまり 11月に歌披露へ
ウェルネスとーく
「となりのトトロ」の主題歌などスタジオジブリ映画の歌でおなじみの歌手、井上あずみさんは2023年8月の40周年コンサートの当日、脳出血を発症しました。半年あまりの入院を経て、復帰に向けて日々リハビリを続けています。左半身のまひが残り、歌手としての復帰も危ぶまれましたが、持ち前の前向きな性格で、歌えるまでに回復しました。11月のフェス参加を前に脳出血の体験などについて聞きました。(聞き手・渡辺勝敏) 【写真5枚】デビュー前の井上あずみさん
リハーサル中に倒れた
――脳出血を起こしたのは昨年8月26日の40周年コンサートのリハーサル中のことでした。 リハーサルの最後に「天空の城ラピュタ」を歌い終えた時にふらっとして、「高価なマイクを落とさずに置いてから倒れよう」と一瞬思って、倒れたと思います。間奏の時に少しお話をするのですが、ふらつくし、ろれつが回っていなかったので、「あれっ」と思っていました。倒れた時に、「痛いところを知らせなきゃ」と思って、頭に手を当てて「痛い、痛い」と言ったところまでは覚えています。 ――会場から救急車で運ばれたわけですね。 記憶はありませんが、コンサートのことしか頭になかったようで、救急車に乗せられる前には、付き添っていた歌手で娘の侑夕に「私の代わりに歌って、コンサート、コンサート」って何度もお願いしていたそうです。
高血圧症だが、この日は薬を飲まず
――倒れた日、予兆のようなものはありましたか。 私は高血圧で200ぐらいあるんです。いつも薬を飲んでいて、この日も「飲まなきゃ」と思ってはいたんですけど、自宅の机の上に薬があるのを確かめて、そのままバタバタして飲まずに出てしまいました。予兆というわけではありませんが、机の上にあった薬が記憶に残っています。 ――脳出血の広がりは7センチで、緊急手術が行われ、あずみさんが目覚めたのは3日後だそうですね。 天井を見たら真っ白で、「ああ、ここはどこだろう。私どうなったの?」という感じです。パパ(夫)から脳出血の手術をしたと聞いたのですが、コンサートはどうなったのか、遠くから来てくれるお客さんもいるのにどうしたんだろう……ずっとそればかり考えていました。入院中の2週間はほぼ寝たきりの状態でしたね。